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増大特集 細胞シグナル操作法 Ⅱ.機能からみたシグナル操作法 3.細胞の動態
チェックポイント
著者: 佐谷秀行1 國仲慎治1
所属機関: 1慶應義塾大学先端医科学研究所遺伝子制御研究部門
ページ範囲:P.516 - P.517
文献購入ページに移動チェックポイントには大きく分けてG1/S期チェックポイント,G2/M期チェックポイント,M期の中-後期移行に関与する紡錘体チェックポイントの三つが存在する(図)2)。G1/S期,G2/M期チェックポイントは,細胞周期進行の主エンジンと言えるサイクリン依存キナーゼ(cyclin-dependent kinase;Cdk)の活性化を阻害する。一方,M期中-後期移行に働く紡錘体チェックポイントは,E3ユビキチンリガーゼ複合体の後期促進複合体(anaphase promoting complex/cyclosome;APC/C)の活性化を抑制する。
細胞周期とは親細胞の持つ遺伝情報を娘細胞に正確に複製分配する連続した過程であり,チェックポイント機能不全は癌に特徴的な異常な情報伝達(染色体不安定性)の大きな原因となる。これまでの研究によりチェックポイントをつかさどる多くの遺伝子が同定されており,この複雑な機構の理解は長足の進歩を遂げているが,チェックポイントを標的とした新規癌治療薬の開発など,課題もまだ残っている。
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