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文献詳細

雑誌文献

生体の科学66巻6号

2015年12月発行

文献概要

特集 グリア研究の最先端 A.グリア機能の基礎研究

大脳皮質オリゴデンドロサイトの起源

著者: 成瀬雅衣1 池中一裕2 等誠司3

所属機関: 1群馬大学大学院医学系研究科分子細胞生物学 2自然科学研究機構生理学研究所分子神経生理 3滋賀医科大学統合臓器生理学

ページ範囲:P.541 - P.545

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 オリゴデンドロサイトは,中枢神経系では神経軸索に髄鞘を形成し,跳躍伝導を可能にすることで神経伝達速度を増大させる。近年では大脳皮質のオリゴデンドロサイトの機能が,学習やsocial behaviorにかかわることを示唆する研究も報告されている1)。更に,ヒト死後脳の解析により,前頭前野のオリゴデンドロサイトの数が統合失調症や気分障害では減少していることが報告され,精神疾患とも関与する可能性があり2,3),オリゴデンドロサイトの新たな機能が明らかになりつつある。成体の脳でも多数のオリゴデンドロサイト前駆細胞が存在しており,それらは状況に応じて増殖・分化すると考えられる。髄鞘の再生や,オリゴデンドロサイトの機能回復を考える際に,その発生メカニズムを明らかにしておくことは非常に重要である。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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