icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学66巻6号

2015年12月発行

文献概要

特集 グリア研究の最先端 A.グリア機能の基礎研究

高感度Ca2+指示タンパク質を用いた生体内アストロサイト活動の可視化解析

著者: 金丸和典1 飯野正光1

所属機関: 1東京大学大学院医学系研究科細胞分子薬理学教室

ページ範囲:P.546 - P.550

文献購入ページに移動
 グリア細胞の一種であるアストロサイトは,他の細胞間の隙間を埋めるように,あるいはシナプスや血管を取り巻くように無数の微細突起を伸ばし,あらゆる脳細胞に接触している。この形態的特徴の意義を裏付けるように,シナプス伝達および脳血流の調節などの重要な生理機能にアストロサイトが貢献することが,近年多くの研究により示唆され,神経科学分野で大きな注目を集めている。アストロサイトの活動性は,アストロサイトで頻繁にみられる細胞内カルシウム濃度上昇(Ca2+シグナル)でモニターすることができ,その可視化技法(Ca2+イメージング)による研究が進められてきた。小分子化合物のCa2+指示薬をアストロサイトに導入して行う従来のCa2+イメージング法では,アストロサイトの細胞体におけるCa2+シグナル観察が主であり,微細突起における観察は困難であった。これを解決すべく,筆者らは高感度Ca2+指示タンパク質をアストロサイト特異的に高発現する遺伝子改変マウスを作製し,微細突起を含めたアストロサイト全体を高い時空間解像度でイメージングする手法を確立した1)。本稿は,その手法とこれにより解明された知見を中心に紹介する。

参考文献

. 8:311-318, 2014
. 86:1009-1031, 2006
. 10:1369-1376, 2007
. 2:E96, 2004
. 27:8957-8966, 2007
. 7:729-732, 2010
. 2:397-406, 2012
. 67:770-773, 2010
. 28:4967-4973, 2008
. 5:146-156, 2004
. 32:638-647, 2009
. 110:11612-11617, 2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら