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特集 グリア研究の最先端 B.病態モデル研究
神経障害性疼痛発症メカニズムにおけるグリア機能
著者: 井上和秀1
所属機関: 1九州大学
ページ範囲:P.556 - P.560
文献購入ページに移動 神経障害性疼痛は,正常時には痛みとして感じない軽度の触刺激を激烈な痛みとするアロディニア(異痛症)や,疼痛過敏,自発痛などを主症状とする慢性的な病態生理的疼痛であり,生理的意義は見いだしがたい。臨床現場にある鎮痛薬(麻薬性鎮痛薬や非ステロイド抗炎症薬など)が効きがたく,患者の生活の質(quality of life;QOL)を著しく損なう。これは人類史上最悪の痛みとも言われているが,その発症メカニズムにはいまだ不明の部分が多い。神経細胞のみの研究ではなかなか突破口が見つからなかったところ,最近になり脊髄後角のミクログリアやアストロサイトの役割が注目されてきた。特に,活性化ミクログリアについては非常に多くの知見が積み上げられ,そこから新薬の可能性も見いだされている。本稿では,そのようなミクログリア研究を中心に,アストロサイト研究についても概説する。
参考文献
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