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文献詳細

雑誌文献

生体の科学66巻6号

2015年12月発行

文献概要

連載講座 生命科学を拓く新しい実験動物モデル-6

ハダカデバネズミ─老化と腫瘍研究の新しいモデル

著者: 河村佳見1 宮脇慎吾2 大岩祐基1 岡野栄之2 三浦恭子1

所属機関: 1北海道大学遺伝子病制御研究所動物機能医科学研究室 2慶應義塾大学医学部生理学教室

ページ範囲:P.589 - P.594

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 近年の急速な医学の発展によりわが国の人間の平均寿命は年々延長しているが,いまだ心疾患,血管疾患,脳機能の低下,がんなどの様々な老化関連疾患により,健康を維持したまま天寿を全うすることは困難であるのが現状である。このような老化関連疾患を予防するためには,老化,すなわち生体という恒常性維持機構が破綻する過程の包括的理解が急務である。これまでにも既存のモデル動物を用いた解析が世界中で行われているが,近年,新たな切り口からのアプローチがなされ始めている。ハダカデバネズミはマウスと同等の大きさながら,平均寿命28年という異例の長寿齧歯類である。その生存期間の8割もの間,老化の兆候を示さず,加齢に伴う死亡率の上昇も認められない。更に,今まで自然発生腫瘍が確認されたことがないということが報告されている。つまり,ハダカデバネズミは老化そのもの,そして老化関連疾患に対して抵抗性を示す特異な哺乳類であり,このことから,老化と腫瘍研究の新しいモデル動物として大変注目されている。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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