文献詳細
解説
着床前胚と始原生殖細胞におけるDNAメチル化リプログラミング
著者: 中村肇伸1
所属機関: 1長浜バイオ大学バイオサイエンス学部エピジェネティック制御学研究室
ページ範囲:P.604 - P.610
文献概要
DNAのメチル化は,DNAメチルトランスフェラーゼ(DNA methyltransferase;Dnmt)がCpGジヌクレオチドのシトシン5位の炭素にメチル基を付加することにより5-メチル化シトシン(5-methylcytosine;5mC)に変換させることから生じる。細胞が発生・分化の過程で獲得したDNAメチル化は,“記憶”として娘細胞に受け継がれ,それぞれの細胞に固有の遺伝子発現を保証している。しかし,哺乳類では受精直後の初期胚と始原生殖細胞の段階で生じるリプログラミング(初期化)過程においてゲノム全体が脱メチル化される。本稿では,哺乳類の発生過程におけるDNAメチル化リプログラミングの分子機構と制御機構について概説する。
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