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文献詳細

雑誌文献

生体の科学67巻1号

2016年02月発行

特集 記憶ふたたび

2.シナプスの可塑性と構造可塑性の分子機構

著者: 細川智永1 林康紀1

所属機関: 1理化学研究所脳科学総合研究センター記憶メカニズム研究チーム

ページ範囲:P.9 - P.12

文献概要

 記憶の獲得とは,外界の情報を脳内に保存する行為にほかならない。記憶の獲得以前と以降で脳内に起こった変化は,現在では記憶痕跡と呼ばれる学習時に同期活動した特定のニューロン集団として捉えられ,これらのニューロン集団がシナプスを介して強く結ばれることで記憶が獲得されると考えられている。これはシナプスの持つ可塑性(plasticity),すなわち刺激に応答して永続的な変化を起こす性質を基盤として実現されているため,シナプス可塑性はシナプスレベルの記憶痕跡とも表現される。そこで本稿では,シナプス可塑性と記憶について,その分子機構を中心に最新の知見を紹介したい。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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