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特集 記憶ふたたび
8.霊長類大脳皮質における長期記憶の情報処理メカニズム
著者: 竹田真己1
所属機関: 1順天堂大学大学院医学研究科認知神経科学教室
ページ範囲:P.37 - P.41
文献購入ページに移動記憶システムに焦点を絞って考えると,内側側頭葉を外科的に切除したために宣言的記憶に障害が起こったH.M.氏の報告1)以来,脳損傷患者や動物モデルを用いた神経心理学的研究が盛んに行われ,特定の脳領域が記憶の形成に果たす役割が調べられてきた。こうした研究から,宣言的記憶は最終的に側頭葉連合野に貯蔵されるという仮説が提唱されている2)。本稿では,視覚的長期記憶の貯蔵庫である側頭葉に焦点を絞り,宣言的記憶の一種である視覚性連合記憶の神経メカニズムについて,異なる空間スケールの神経回路が担う情報処理,およびスケールの異なる回路が機能連絡するための作動原理について述べる。
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