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特集 記憶ふたたび
10.ストレスと認知機能
著者: 多田敬典1 高橋琢哉1
所属機関: 1横浜市立大学医学部生理学
ページ範囲:P.47 - P.50
文献購入ページに移動現在のところ,記憶や認知機能などにおいて,ストレスは認知機能の生体パフォーマンスを向上させたり,逆に低下させたりと,生体への影響を大きく左右することが知られている。実際,適度なレベルのストレス刺激は,認知機能向上などに対し正の効果を示す。一方で,閾値を超えたトラウマ体験や慢性的な生体へのストレス刺激は,うつ病や認知症など,様々な脳認知機能障害を引き起こす。このように,ストレス刺激の強度や負荷時間の変化が認知・記憶機能へ与える影響は逆U字型の関係性を示すため,適度なストレスレベルを維持することが生命維持に必要である(図1)1-3)。
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