人間社会において,われわれは多くの人々と直接的に,あるいは間接的にかかわりながら人生を送っている。阪神ファン同士で連帯感を感じながら大いに盛り上がったり,体調が悪いときに優しい隣人に助けてもらったり,海外の共同研究者とauthorshipについてシビアなディスカッションをしたり,あるいは協調性に乏しい職場の同僚に強いストレスを感じたり。多くのインプットを受け取り,多くのアウトプットを吐き出すことによって,調和のとれた社会の一員としてなんとか生きている。人間関係はとても複雑で,奥が深い。一方,多細胞生命体を構成する細胞社会においても同じように,細胞同士が様々な情報のやり取りをし,それに呼応することによって,ときには支え合いながら(細胞協調),また,あるときはいがみ合いながら(細胞競合),恒常性ある細胞社会を形成・維持している。そこでは,同種の細胞間,あるいは異種の細胞間で互いのシグナル伝達経路や細胞内プロセスに影響を与え合うことによって,増殖,分化,運動,生死など多彩な細胞現象を制御している。
様々なシグナル伝達経路や細胞間コミュニケーション制御因子の解明と共に,まず初めに研究が進展してきたのが細胞協調現象である。例を挙げると,細胞間接着による細胞増殖の接触阻害,神経細胞とグリア細胞の相互作用,膵ランゲルハンス島β細胞から分泌されたインスリンに肝細胞が反応,線維芽細胞から分泌される成長因子によって上皮細胞が増殖など,細胞同士が互いの機能を様々な形で協調的に制御していることが認められてきた。一方,性質の異なる同種の細胞間で,互いに生存を争う細胞競合現象が起こることが,Morataらによってショウジョウバエ上皮組織において最初に報告された(Morata G, Ripoll P:
雑誌目次
生体の科学67巻2号
2016年04月発行
雑誌目次
特集 細胞の社会学─細胞間で繰り広げられる協調と競争
特集「細胞の社会学─細胞間で繰り広げられる協調と競争」によせて フリーアクセス
著者: 藤田恭之
ページ範囲:P.94 - P.94
Ⅰ.細胞競合の分子細胞遺伝学
正常上皮細胞によるがん細胞の排除
著者: 丸山剛 , 藤田恭之
ページ範囲:P.95 - P.100
多細胞組織において,細胞は互いにコミュニケーションをとりながら,協調的かつ協力的な社会性を維持している。この細胞社会において“望ましくない細胞”が生じたときには,恒常性維持のためにそれらは除去されなければならない。このような社会性から排除されるべき細胞の一つとして,がん化の初期段階にある変異細胞が挙げられる。これまでのわれわれおよび他のグループの研究によって,組織は恒常性維持のために,がん原性変異細胞を正常細胞層から積極的に駆逐することが認められてきた。上皮系培養細胞の解析からは,正常細胞もしくは変異細胞のそれぞれの細胞内で,どのような分子が細胞競合シグナルとして働いているかも明らかになってきている。また,われわれのマウスオルガノイドを用いた解析によって,より生体内に近い状況下でも,変異細胞が正常上皮細胞層から管腔側に向かって排除されていることが最近示された。本稿では,これまでがん領域においてブラックボックスであった,がんの超初期段階にある変異細胞と正常細胞がどのように相互作用しているかについて,哺乳類細胞における細胞競合にかかわる最新の研究と共に紹介したい。
細胞競合と代償性増殖におけるJNKシグナルの役割
著者: 榎本将人
ページ範囲:P.101 - P.106
多細胞生物を構成する個々の細胞は,互いに影響し合いながら様々なシグナルを放出/受容することで,細胞増殖,分化,細胞運動,形態変化や細胞死を時空間的に制御しており,このような細胞同士の協調によって正常な組織発生や恒常性維持が実現されている。その一方で,細胞同士は協調のみならず競合によっても,細胞間コミュニケーションを介した生体制御システムを構築していることが近年明らかになってきた。細胞間の競合現象である“細胞競合”は,同種の細胞が生体内環境への適応度を競合し,相対的に適応度の低い細胞(敗者)が組織から排除され,適応度の高い細胞(勝者)がその場に置き換わる現象である。その生理的役割として発生過程のロバストな組織構築,ニッチにおける優良幹細胞の選別,組織中の異常細胞の除去やがん細胞による周辺細胞の駆逐など,多様な機能を持つことが示されつつある。
細胞競合が適応度の低い細胞を敗者として組織から排除する現象であるのに対して,失われた敗者細胞の数を補い,組織の細胞数を一定に保つ“代償性増殖”という現象が知られている。代償性増殖は,死にゆく細胞が自身の死の代償として周辺細胞の増殖を促す細胞非自律的な増殖機構であり,細胞競合の過程において敗者として死にゆく細胞は,周辺細胞の増殖を促すことで生体恒常性を維持していると考えられている。更に最近の研究から,細胞競合の敗者となる細胞が代償性増殖を介して,がん進展を促す局面が存在することが示唆されている。そこで本稿では,ショウジョウバエ遺伝学的解析から明らかになりつつある細胞競合と代償性増殖の分子機構とそれらの破綻によるがん進展制御に中心的役割を担うc-Jun N-terminal kinase(JNK)シグナル経路に焦点を当て,細胞間コミュニケーションによる多細胞社会の秩序形成システムについて考察したい。
活性型YAP発現によって誘導される哺乳動物細胞の排除現象
著者: 石原えりか , 千葉恭敬 , 仁科博史
ページ範囲:P.107 - P.110
YAPはTEADを初めとする複数の転写因子と結合し,遺伝子発現を制御している転写共役因子である。YAPはセリンスレオニンキナーゼカスケードであるHippo経路によりリン酸化され,負の制御を受ける(図1A)1-5)。1990年代にショウジョウバエのモザイク解析法を用いた遺伝学的スクリーニングによりHippo経路は発見され,本経路はショウジョウバエから脊椎動物まで進化的に保存されていることが明らかになった。2007年から2010年に行われたショウジョウバエの成虫原基やマウス肝臓を用いた研究により,YAP(ショウジョウバエホモログはYorkie)の過剰発現は過形成やがんを引き起こすことが報告された。現在,本経路は細胞増殖,細胞死,細胞分化,細胞移動など多様な細胞応答を制御し,器官サイズ制御やがん制御シグナルとして機能することが知られている。そして近年,細胞間で適応度を競い合う細胞競合にも本経路が関与していることが報告された6-8)。ショウジョウバエの成虫翅原基において,Hippo経路が破綻した,もしくはYorkieが活性化した細胞(Yorkie発現細胞)をモザイク状に発現させた場合,そのYorkie発現細胞の周辺に存在している細胞は細胞死を起こして排除され,Yorkie発現細胞が増殖することが報告された(図1B)9-11)。更に,マウス線維芽細胞を用いて転写因子TEADの高発現細胞と野生型細胞を混合し,培養したところ,野生型細胞は細胞死により排除され,TEAD高発現細胞は増殖することが報告されている12)。このように,ショウジョウバエにおいてYorkieが,哺乳動物においてTEADが細胞競合に関与し勝者の表現型を示すことが報告されている一方,哺乳動物の細胞競合におけるYAPの役割やメカニズムはいまだ不明である。本稿では,活性型YAPの発現により誘導される細胞層からapical面へ突出する現象(apical extrusion;細胞突出)と,周辺細胞が突出細胞に与える影響について,最新の結果を紹介する。
マウス胚線維芽細胞NIH3T3を用いた細胞競合モデル系の樹立
著者: 竹之下憂祐 , 加村啓一郎 , 佐々木洋
ページ範囲:P.111 - P.115
われわれの体は細胞の集合として作られる。個々の細胞の挙動にはばらつきがあるが,隣接する細胞同士は互いにコミュニケーションすることで,その挙動を調和させ,体を正確に作り,胚や組織全体としての恒常性を維持していると考えられる。そのような細胞間のコミュニケーションの機構の一つが細胞競合である。細胞競合では,隣接する細胞の適応度の違いにより,相対的に適応度が低い細胞を敗者として排除する1,2)。細胞競合は最初にショウジョウバエの成虫原基で発見され,原がん遺伝子である転写因子のMycやリボソーム遺伝子の発現量の違いが細胞競合につながること,Hippoシグナル経路やWntシグナル経路が関与していることなど,多くの知見が得られてきた。一方,最近マウス胚のエピブラストにおいて,Mycによる細胞競合が起こることが示された3,4)が,ヒトやマウスなどの哺乳類における細胞競合についての知見は限られており,哺乳類における細胞競合現象の普遍性や,その分子機構についての研究を進めていく必要がある。われわれは,哺乳類における細胞競合機構を明らかにするために,マウス胚由来の線維芽細胞株NIH3T3を用いて,簡便な細胞競合のモデル系を作製した5)。本稿では,われわれが樹立した細胞競合のモデル系と,それを用いて明らかになった転写因子TeadとMycによる細胞競合機構について解説する。
細胞競合における補償的組織修復
著者: 田守洋一郎
ページ範囲:P.116 - P.121
われわれヒトを含めた多細胞生物の器官や組織を構成する細胞社会は,ライフサイクルを通じて常に個体内外双方からの多様なストレスを受けており,これらのストレスは個々の細胞に損傷を及ぼしている。こういったストレスによる損傷は,ときとして突然変異による異常細胞の出現や細胞死の原因となり,これら異常細胞の蓄積や広範囲の細胞死は,がんの誘発や器官機能障害の危険性を高めることにつながる。老化を含めたライフサイクルを通じて組織が恒常性を維持するには,こういった異常細胞や死細胞の適時の除去と,それに伴う細胞の損失を補うための正常な周辺細胞による穴埋めが必要不可欠である。筆者らの研究を含めた近年の研究によって,細胞競合という組織内での細胞同士の生存競合現象は,正常細胞が隣接する異常細胞を認識して組織から除去する,つまり細胞社会に悪影響を及ぼす可能性のある異常細胞の蓄積を防ぎ,体を構成する体細胞の質を維持することによって,個体の適応度を高めるための細胞レベルでの組織恒常性維持機構であると考えられるようになった1)。興味深いことに,ここ数年の間に,前がん細胞と言われるがん細胞になる可能性を持つ変異細胞,例えば
Ⅱ.上皮細胞の協調を制御する分子メカニズム
膜変形タンパク質による細胞膜の張力を介した細胞運動の制御
著者: 辻田和也
ページ範囲:P.122 - P.126
細胞は,細胞膜を介して外界からの様々なシグナルに応答し,それをいわゆる生化学反応に変換することで細胞機能を制御しており,細胞膜がシグナル伝達の場として中心的な役割を果たしていることは周知の事実である。近年,細胞膜自身の力学的な性質に注目が集まっている1,2)。細胞は,その機能に応じて細胞膜を力学的に変形しながら自身の形態を変える。例えば,細胞が運動や分裂をするとき,細胞膜の伸展や収縮が起こる。このような細胞膜の変形を伴う機能に大きな影響を与える因子は膜の張力である。近年の研究により,細胞膜の張力が,細胞運動,分裂,組織の形成など基本的な生命現象を制御していることが明らかになりつつある1,2)。このことは,細胞膜の張力そのものがシグナルとして働き,これらの細胞膜の形状変化を伴う細胞機能を制御していることを示唆している。しかし,細胞膜張力の感知機構およびそれを介したシグナル伝達機構についてはほとんど不明である。細胞はどのように細胞膜の張力を認識するのであろうか? 細胞膜の張力という物理的なシグナルは,どのように生化学反応に変換されるのであろうか? 本稿では,われわれが明らかにした“細胞膜の張力センサー”タンパク質を中心として3),細胞運動を制御する細胞膜の張力を介したシグナル伝達機構について紹介する。
機械的刺激によるHippo-YAP/TAZ経路の活性化,生理作用,腫瘍進展メカニズムと意義
著者: 後藤裕樹 , 西尾美希 , 加藤稚子 , 前濱朝彦 , 鈴木聡
ページ範囲:P.127 - P.131
細胞は隣の細胞と接すると接触阻止(コンタクトインヒビション)が起こり,増殖が停止する。悪性腫瘍ではこの現象が障害され,細胞増殖が無秩序に起こることがその特徴である。
細胞間接着を超えて細胞社会を伝搬するERK MAPキナーゼシグナル伝達
著者: 青木一洋 , 平塚徹 , 松田道行
ページ範囲:P.132 - P.136
細胞は周囲の様々な刺激を受け取り,細胞内のシグナル伝達反応を介して,最終的に表現型として出力する。いわば,入力→システム→出力のシステム部分に相当するのが“細胞内シグナル伝達系”である。細胞内シグナル伝達系は,分子と分子の結合やリン酸化などの酵素反応といった物理化学的な反応の連鎖である。細胞は形質膜で他の細胞とは隔てられており,細胞間のシグナル伝達は,ギャップジャンクションを介したイオンの伝達や物理的な力を介した伝達,または分泌因子の拡散を介した伝達が考えられてきた。しかし,このような細胞間伝搬により,細胞内シグナル伝達系の情報がどのようにして隣の細胞に伝搬するのか,また,その生理的な意義についてはほとんど検証されていなかった。筆者らは,古典的なMAPキナーゼであるERK分子の“活性情報”が,細胞間へと伝搬することを培養細胞やトランスジェニックマウスを用いて見いだした1,2)。そこで,みえてきた新しいシグナル伝達の細胞間伝搬とその意義について議論する。
細胞間メカノトランスダクション
著者: 鳥澤久美子 , 米村重信
ページ範囲:P.137 - P.141
組織内の細胞は,静水圧,ずり応力,張力などの力にさらされている。細胞はこれら外部からの力を感受し,それを生化学的な信号へと変換することで周辺環境を認識し,応答している。例えば,ずり応力とは液体の流れによってもたらされる力のことであるが,血管において血流が増え,ずり応力が増すと血管内皮細胞から一酸化窒素が分泌されて,血管拡張を引き起こすことなどが知られている1)。細胞にかかる外部からの力は,細胞形状を変化させるだけでなく,細胞極性,分裂および分化のような細胞の運命決定に対しても様々な影響を与える。どのようにして細胞は,受けた力を細胞全体の応答に変換しているのであろうか。
細胞には外部からの力を感受する分子が存在している。外部からの力に依存して,細胞外から細胞内へのイオン流入量を変化させるカルシウムイオンチャネル2)や,基質の硬さを感受して細胞の分化運命を変化させる,細胞-細胞外マトリックスの接着装置などが知られている。
Ⅲ.がんにおける細胞の協調と競争
最小単位としてのがん細胞集団
著者: 井上正宏
ページ範囲:P.142 - P.145
最小単位という言葉を,ここでは「分割をしていくとどこかでその性質が失われる直前のもの」と定義する。では,がんの最小単位は何か? と問われれば,単細胞と答えるのが常識的である。確かに,培養細胞株を用いた実験をしていると,がんの最小単位は単細胞であるという強い印象を受ける。しかし,単細胞にどれくらいのがんとしての性質が保持されているのかについて,これまでに突き詰めた検証は案外されていない。がんの最小単位が単細胞であるという考えは,転移モデルにおいて前提として採用されている。すなわち,がん細胞は単細胞として原発巣の細胞集団から遊離し,遊走して脈管内に侵入,血流やリンパ流に乗って転移巣へ運ばれて脈管壁に接着し,脈管外に侵入し,そこで起源細胞になって増殖し,転移巣を形成する,というシナリオである1)。この考え方に従って細胞株を使った多くの研究が行われてきた。更に近年,上皮間葉転換(epithelial-mesenchymal transition;EMT)やがん幹細胞の概念が入って,単細胞最小単位説は確定したかのようにみえる。EMTは上皮由来のがん細胞が間葉系細胞の特性を持つようになる現象であるから,単細胞最小単位説に理論的根拠を与えている2)。がん幹細胞では,がん細胞の中で一部の特別な単細胞だけが自己再性能と分化能を持ち,がんの起源となるとするセオリーである3)。しかし,これらは実験に基づく仮説であり,同じことががん患者の体内で起こっていることが直接証明されているわけではない。
がん細胞とがん関連線維芽細胞の相互作用
著者: 平田英周
ページ範囲:P.146 - P.150
がん細胞は増殖,浸潤,転移,薬剤応答などにおいて多様な挙動や反応を示すが,この多様性はがん細胞そのものの特性のみに基づくのではなく,がん細胞とそれをとりまく複雑な微小環境との相互作用によってもたらされる。すなわち,がん微小環境には多彩な間質細胞が存在し,がん細胞を含めた複雑な細胞間ネットワークががんの進展や薬剤による修飾によってダイナミックに変化し,がん細胞の挙動に時空間的な多様性を生み出している。これらがん細胞と間質細胞の相互作用は,がんの進展や治療効果に対して正に作用することもあれば負に作用することもあり,がんの種類や治療法においても差異が存在する。本稿では,これら間質細胞のなかでも特にがん関連線維芽細胞に注目し,がん細胞との相互作用が担う役割をその創出と維持,がんの進展と薬剤応答の観点から概説する。
がん細胞社会のなかの多様性・多層性
著者: 西本裕希 , 髙橋智聡
ページ範囲:P.151 - P.154
正常上皮細胞の真ん中にがん細胞が突然出現する細胞競合研究の基本的モデルは,多段階発がんの概念をある意味で割愛しており,ヒトに生じるがんの病態とその歴史を十分反映しないかもしれない。また,細胞社会の多様性という観点からすると,細胞競合現象は,WinnerがLoserを駆逐する,つまり,多様性を小さくする方向に働く1)。正常組織のホメオスターシス維持には,細胞競合が貢献するであろう。しかし,様々な観察は,がん細胞社会の多様性ががん進展の経過中に大きくなることを示唆している2)。このことの意義を理解するには,様々な機序によって生じる腫瘍内不均一性と,腫瘍を構成するクローン群間の協調・競合関係への洞察が重要と思われる。
近年のDNAシーケンス・解析技術の目覚ましい発達は,腫瘍を構成する細胞群のゲノム・エピゲノム不均一性を,例えば治療経過に沿って繰り返された針生検によって,腫瘍内の複数か所で,かつ経時的に観察することを可能にした3)。そこで見えてきたものは,驚くべきダイナミズムで進行するクローン進化とクローン間の協調関係であった2)。その結果もたらされるがん細胞社会の多様性が,原発巣の維持や再発・転移に重要な貢献をすることも判明しつつある。
Ⅳ.細胞の競争と協調の数理モデル
数理の立場から細胞競合を眺める─自己駆動粒子を用いた細胞競合のモデルとシミュレーション
著者: 西川星也 , 高松敦子
ページ範囲:P.155 - P.158
細胞競合は主に上皮組織でみられる現象で,組織の一部に変異細胞が誘導されると,正常細胞との境界で競合が起こり,最終的に変異細胞が組織から排除される(図1A-図1C)。変異細胞が正常細胞に取り囲まれると,細胞死や排出が引き起こされることが観察されている。排除の結果,空いた空間には正常細胞が増殖し,それによって正常な組織サイズを維持すると言われている。このことから細胞競合現象は,正常な発生,組織の維持などに重要な役割を果たすと考えられている。
細胞競合は最初,ショウジョウバエ翅成虫原基に
機械的な力を介した細胞競合の数理モデル
著者: 坪井有寿 , 藤本仰一
ページ範囲:P.159 - P.162
これまでに細胞競合にかかわる複数の因子が同定され,競合の勝者となる多くの因子が高い増殖活性を示すことが明らかになった。すなわち,分裂速度に差がある2種類の細胞の境界で,分裂の遅い細胞側に細胞死が誘導され,分裂の速い細胞のみが生存する。しかし,分裂速度の差を検知する細胞間相互作用の実態はいまだ不明である。そこで本稿では,細胞死に先立つ細胞や組織の力学的変形に注目し,上皮組織の数理モデルを用いて分裂速度の違いが引き起こす影響を概説する。
上皮細胞の集団移動を可能にする細胞平面の運動と力学モデル
著者: 上地浩之 , 倉永英里奈
ページ範囲:P.163 - P.167
多細胞生物の発生では,一つの受精卵から様々な形態をした器官が形成される。細胞が増殖・分化し,形状を変え,移動しながら組織を形作る複雑な過程は,息をのむほどに美しく神秘的であると同時に,そのメカニズムを解き明かすうえでわれわれに困難な課題を突き付ける。顕微鏡技術の飛躍的な発達により,発生の様子や着目する細胞・分子の動態をライブイメージングで詳細に追跡できるようになった。更に近年では,複雑な発生現象の中で観察された要素を数理モデルに落とし込み,着目する現象に介在する個々の細胞の振る舞いや力学的作用を検証・予測するという,数理シミュレーションによる解析が汎用されるようになってきた。顕微鏡観察に数理モデルを用いた解析を組み合わせることで,個体解析だけでは困難であった,発生現象を構成する素過程のメカニズム解明が促進されることが期待される。本稿では,われわれの研究室がごく最近見いだした集団細胞移動の新しいメカニズムについて,数理モデルを用いた解析を交えながら紹介したい1)。
上皮管組織の異方的な成長を支える協調的な多細胞動態と力学
著者: 平島剛志
ページ範囲:P.168 - P.172
生体組織の異方的な成長は,臓器のかたちや大きさの多様性を生み出す原点となる。異方的な組織成長を実現するために,細胞は集団で協調的に運動し,力を生み出す。近年,細胞の動きや力の観点から,臓器のかたち作りを定量的に理解しようとする研究アプローチが注目されている1,2)。本稿では,異方的な組織成長の具体例として管の伸長に注目し,その形態形成過程を,主に力の観点から概説する。多細胞動態を扱う数理モデルを導入したのちに,管の伸長にかかわる細胞の動きと力に触れ,最後に,協調的な多細胞動態の基盤となり得る力学システムの一例を紹介する。
仮説と戦略
Mg2+調節の制御機構とその異常による疾患
著者: 三木裕明
ページ範囲:P.173 - P.177
マグネシウムは生命維持に必要なミネラルの一つであり,Mg2+は細胞内でK+に次いで量の多い陽イオンとしても知られる。Na+,K+,Ca2+など,他の主要な金属イオンの膜輸送にかかわる多くのトランスポーターが同定され,様々な生命機能へのかかわりが分子レベルで理解されるようになった一方で,Mg2+に関しては大きく研究が遅れていた。特に,膜電位による静電力に逆らって細胞外にMg2+を排出するトランスポーターの分子実体は長らく不明であり,ごく最近まで細胞や個体レベルでのMg2+調節の基本的なしくみすら不明のままであった。また,細胞内のMg2+量がほぼ一定に保たれている一方で,その量を調節することの生物学的重要性についてはほとんど考慮されることもなかった。本稿では,筆者らが取り組んでいるCNNMファミリーの分子機能に基づく細胞や個体でのMg2+調節のしくみ,そして,その解析から明らかになってきた,がんなどのヒト疾患とのかかわりについて説明する。
線虫を用いたがん診断
著者: 広津崇亮
ページ範囲:P.178 - P.183
がんはわれわれ人類にとって最大の敵の一つである。わが国では,長年死因第1位の座を占め,2人に1人ががんを経験し,3人に1人ががんにより死亡している。世界を見ても,開発途上国の発展と共にがんによる死亡者数が年々増加すると考えられていて,2012年は年間820万人であったものが,2030年には1,300万人にもなると予想されている。がんに関する医療費も莫大であり,わが国では年間3.8兆円(2012年)にも上り1),65歳未満では全医療費の13.1%(第1位)の1.5兆円を支出している。医療費だけでなく,がんにより寿命より早く死亡してしまうことによる社会的損失を合わせると,全世界における経済的影響は100兆円にも上ると報告されている2)。
がんによる死亡を防ぐ最も有効な手段は,早期発見・早期治療である。胃がん,結腸がん,直腸がんの5年生存率は,ステージ0,1のいわゆる早期がんでは約90%と非常に高い結果が報告されている3,4)。しかし,わが国の主要5大がんのがん検診受診率は約30%にとどまっている5)。この受診率は他の先進国と比較しても圧倒的に低く6),例えば米国の肺がん,子宮がんのがん検診受診率は80%近くある。わが国でがんが死因第1位である最大の理由は,がん検診受診率が低いことにあると考えられる。
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次号予告 フリーアクセス
ページ範囲:P.141 - P.141
財団だより フリーアクセス
ページ範囲:P.172 - P.172
お知らせ フリーアクセス
ページ範囲:P.184 - P.184
『生体の科学』特集テーマ一覧(2016-2005:Vol.67-56) フリーアクセス
ページ範囲:P.185 - P.185
あとがき フリーアクセス
著者: 松田道行
ページ範囲:P.186 - P.186
均一に見える細胞集団も人間社会と同じように様々な個性を持つ細胞から構成されている。この一見当たり前の事実は,数理生物学などでは時々扱われるテーマであったが,実験生物学の分野では技術的困難性もあり,あまり大きな研究対象とはなっていなかった。せいぜい実質細胞と間質細胞のクロストークという程度の扱われ方が多く,“一つひとつの細胞が持つ個としての役割”は研究が始まったばかりである。この細胞社会という研究分野では,勝者と敗者,場所の取り合い,コミュニケーション,パワーバランスなど人間社会で使われる単語がそのまま通用し,考えさせられるところが多い。これまで勝者の代表例と思われていたがん細胞が,単独では細胞競合に敗れて退場させられる現象などは,村八分そのものである。もっとも,この無法者は一人ではすぐ死んでしまうものの,肩を寄せ合っているとしぶとく生き残り,やがては大集団として他を圧倒する。生物界の原則は弱肉強食とよく言うが,そもそも強い弱いという関係は必ずしも一定ではなく,環境に依存するということが本特集の結論の一つではないかと思う。適者生存という細胞社会の原則は人間社会が目指す方向とは無論相いれないが,細胞社会の研究が発展すれば,案外,弱い細胞を守ることで全体が繁栄する機構が見つかって,そこから人類の平和につながる新たなパラダイムが提唱できないものかなどと虫のいい初夢をみた。
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68巻4号(2017年8月発行)
特集 血管制御系と疾患
68巻3号(2017年6月発行)
特集 核内イベントの時空間制御
68巻2号(2017年4月発行)
特集 細菌叢解析の光と影
68巻1号(2017年2月発行)
特集 大脳皮質—成り立ちから機能へ
67巻6号(2016年12月発行)
特集 時間生物学の新展開
67巻5号(2016年10月発行)
増大特集 病態バイオマーカーの“いま”
67巻4号(2016年8月発行)
特集 認知症・神経変性疾患の克服への挑戦
67巻3号(2016年6月発行)
特集 脂質ワールド
67巻2号(2016年4月発行)
特集 細胞の社会学─細胞間で繰り広げられる協調と競争
67巻1号(2016年2月発行)
特集 記憶ふたたび
66巻6号(2015年12月発行)
特集 グリア研究の最先端
66巻5号(2015年10月発行)
増大特集 細胞シグナル操作法
66巻4号(2015年8月発行)
特集 新興・再興感染症と感染症対策
66巻3号(2015年6月発行)
特集 進化と発生からみた生命科学
66巻2号(2015年4月発行)
特集 使える最新ケミカルバイオロジー
66巻1号(2015年2月発行)
特集 脳と心の謎はどこまで解けたか
65巻6号(2014年12月発行)
特集 エピジェネティクスの今
65巻5号(2014年10月発行)
増大特集 生命動態システム科学
65巻4号(2014年8月発行)
特集 古典的代謝経路の新しい側面
65巻3号(2014年6月発行)
特集 器官の発生と再生の基礎
65巻2号(2014年4月発行)
特集 細胞の少数性と多様性に挑む―シングルセルアナリシス
65巻1号(2014年2月発行)
特集 精神疾患の病理機構
64巻6号(2013年12月発行)
特集 顕微鏡で物を見ることの新しい動き
64巻5号(2013年10月発行)
増大特集 細胞表面受容体
64巻4号(2013年8月発行)
特集 予測と意思決定の神経科学
64巻3号(2013年6月発行)
特集 細胞接着の制御
64巻2号(2013年4月発行)
特集 特殊な幹細胞としての骨格筋サテライト細胞
64巻1号(2013年2月発行)
特集 神経回路の計測と操作
63巻6号(2012年12月発行)
特集 リンパ管
63巻5号(2012年10月発行)
特集 細胞の分子構造と機能―核以外の細胞小器官
63巻4号(2012年8月発行)
特集 質感脳情報学への展望
63巻3号(2012年6月発行)
特集 細胞極性の制御
63巻2号(2012年4月発行)
特集 RNA干渉の実現化に向けて
63巻1号(2012年2月発行)
特集 小脳研究の課題(2)
62巻6号(2011年12月発行)
特集 コピー数変異
62巻5号(2011年10月発行)
特集 細胞核―構造と機能
62巻4号(2011年8月発行)
特集 小脳研究の課題
62巻3号(2011年6月発行)
特集 インフラマソーム
62巻2号(2011年4月発行)
特集 筋ジストロフィーの分子病態から治療へ
62巻1号(2011年2月発行)
特集 摂食制御の分子過程
61巻6号(2010年12月発行)
特集 細胞死か腫瘍化かの選択
61巻5号(2010年10月発行)
特集 シナプスをめぐるシグナリング
61巻4号(2010年8月発行)
特集 miRNA研究の最近の進歩
61巻3号(2010年6月発行)
特集 SNARE複合体-膜融合の機構
61巻2号(2010年4月発行)
特集 糖鎖のかかわる病気:発症機構,診断,治療に向けて
61巻1号(2010年2月発行)
特集 脳科学のモデル実験動物
60巻6号(2009年12月発行)
特集 ユビキチン化による生体機能の調節
60巻5号(2009年10月発行)
特集 伝達物質と受容体
60巻4号(2009年8月発行)
特集 睡眠と脳回路の可塑性
60巻3号(2009年6月発行)
特集 脳と糖脂質
60巻2号(2009年4月発行)
特集 感染症の現代的課題
60巻1号(2009年2月発行)
特集 遺伝子-脳回路-行動
59巻6号(2008年12月発行)
特集 mTORをめぐるシグナルタンパク
59巻5号(2008年10月発行)
特集 現代医学・生物学の仮説・学説2008
59巻4号(2008年8月発行)
特集 免疫学の最近の動向
59巻3号(2008年6月発行)
特集 アディポゲネシス
59巻2号(2008年4月発行)
特集 細胞外基質-研究の新たな展開
59巻1号(2008年2月発行)
特集 コンピュータと脳
58巻6号(2007年12月発行)
特集 グリケーション(糖化)
58巻5号(2007年10月発行)
特集 タンパク質間相互作用
58巻4号(2007年8月発行)
特集 嗅覚受容の分子メカニズム
58巻3号(2007年6月発行)
特集 骨の形成と破壊
58巻2号(2007年4月発行)
特集 シナプス後部構造の形成・機構と制御
58巻1号(2007年2月発行)
特集 意識―脳科学からのアプローチ
57巻6号(2006年12月発行)
特集 血管壁
57巻5号(2006年10月発行)
特集 生物進化の分子マップ
57巻4号(2006年8月発行)
特集 脳科学が求める先端技術
57巻3号(2006年6月発行)
特集 ミエリン化の機構とその異常
57巻2号(2006年4月発行)
特集 膜リサイクリング
57巻1号(2006年2月発行)
特集 こころと脳:とらえがたいものを科学する
56巻6号(2005年12月発行)
特集 構造生物学の現在と今後の展開
56巻5号(2005年10月発行)
特集 タンパク・遺伝子からみた分子病―新しく解明されたメカニズム
56巻4号(2005年8月発行)
特集 脳の遺伝子―どこでどのように働いているのか
56巻3号(2005年6月発行)
特集 Naチャネル
56巻2号(2005年4月発行)
特集 味覚のメカニズムに迫る
56巻1号(2005年2月発行)
特集 情動―喜びと恐れの脳の仕組み
55巻6号(2004年12月発行)
特集 脳の深部を探る
55巻5号(2004年10月発行)
特集 生命科学のNew Key Word
55巻4号(2004年8月発行)
特集 心筋研究の最前線
55巻3号(2004年6月発行)
特集 分子進化学の現在
55巻2号(2004年4月発行)
特集 アダプタータンパク
55巻1号(2004年2月発行)
特集 ニューロンと脳
54巻6号(2003年12月発行)
特集 オートファジー
54巻5号(2003年10月発行)
特集 創薬ゲノミクス・創薬プロテオミクス・創薬インフォマティクス
54巻4号(2003年8月発行)
特集 ラフトと細胞機能
54巻3号(2003年6月発行)
特集 クロマチン
54巻2号(2003年4月発行)
特集 樹状突起
54巻1号(2003年2月発行)
53巻6号(2002年12月発行)
特集 ゲノム全解読とポストゲノムの問題点
53巻5号(2002年10月発行)
特集 加齢の克服―21世紀の課題
53巻4号(2002年8月発行)
特集 一価イオンチャネル
53巻3号(2002年6月発行)
特集 細胞質分裂
53巻2号(2002年4月発行)
特集 RNA
53巻1号(2002年2月発行)
連続座談会 脳とこころ―21世紀の課題
52巻6号(2001年12月発行)
特集 血液脳関門研究の最近の進歩
52巻5号(2001年10月発行)
特集 モチーフ・ドメインリスト
52巻4号(2001年8月発行)
特集 骨格筋研究の新展開
52巻3号(2001年6月発行)
特集 脳の発達に関与する分子機構
52巻2号(2001年4月発行)
特集 情報伝達物質としてのATP
52巻1号(2001年2月発行)
連続座談会 脳を育む
51巻6号(2000年12月発行)
特集 機械的刺激受容の分子機構と細胞応答
51巻5号(2000年10月発行)
特集 ノックアウトマウスリスト
51巻4号(2000年8月発行)
特集 臓器(組織)とアポトーシス
51巻3号(2000年6月発行)
特集 自然免疫における異物認識と排除の分子機構
51巻2号(2000年4月発行)
特集 細胞極性の形成機序
51巻1号(2000年2月発行)
特集 脳を守る21世紀生命科学の展望
50巻6号(1999年12月発行)
特集 細胞内輸送
50巻5号(1999年10月発行)
特集 病気の分子細胞生物学
50巻4号(1999年8月発行)
特集 トランスポーターの構造と機能協関
50巻3号(1999年6月発行)
特集 時間生物学の新たな展開
50巻2号(1999年4月発行)
特集 リソソーム:最近の研究
50巻1号(1999年2月発行)
連続座談会 脳を守る
49巻6号(1998年12月発行)
特集 発生・分化とホメオボックス遺伝子
49巻5号(1998年10月発行)
特集 神経系に作用する薬物マニュアル1998
49巻4号(1998年8月発行)
特集 プロテインキナーゼCの多様な機能
49巻3号(1998年6月発行)
特集 幹細胞研究の新展開
49巻2号(1998年4月発行)
特集 血管―新しい観点から
49巻1号(1998年2月発行)
特集 言語の脳科学
48巻6号(1997年12月発行)
特集 軸索誘導
48巻5号(1997年10月発行)
特集 受容体1997
48巻4号(1997年8月発行)
特集 マトリックス生物学の最前線
48巻3号(1997年6月発行)
特集 開口分泌のメカニズムにおける新しい展開
48巻2号(1997年4月発行)
特集 最近のMAPキナーゼ系
48巻1号(1997年2月発行)
特集 21世紀の脳科学
47巻6号(1996年12月発行)
特集 老化
47巻5号(1996年10月発行)
特集 器官―その新しい視点
47巻4号(1996年8月発行)
特集 エンドサイトーシス
47巻3号(1996年6月発行)
特集 細胞分化
47巻2号(1996年4月発行)
特集 カルシウム動態と細胞機能
47巻1号(1996年2月発行)
特集 神経科学の最前線
46巻6号(1995年12月発行)
特集 病態を変えたよく効く医薬
46巻5号(1995年10月発行)
特集 遺伝子・タンパク質のファミリー・スーパーファミリー
46巻4号(1995年8月発行)
特集 ストレス蛋白質
46巻3号(1995年6月発行)
特集 ライソゾーム
46巻2号(1995年4月発行)
特集 プロテインホスファターゼ―最近の進歩
46巻1号(1995年2月発行)
特集 神経科学の謎
45巻6号(1994年12月発行)
特集 ミトコンドリア
45巻5号(1994年10月発行)
特集 動物の行動機能テスト―個体レベルと分子レベルを結ぶ
45巻4号(1994年8月発行)
特集 造血の機構
45巻3号(1994年6月発行)
特集 染色体
45巻2号(1994年4月発行)
特集 脳と分子生物学
45巻1号(1994年2月発行)
特集 グルコーストランスポーター
44巻6号(1993年12月発行)
特集 滑面小胞体をめぐる諸問題
44巻5号(1993年10月発行)
特集 現代医学・生物学の仮説・学説
44巻4号(1993年8月発行)
特集 細胞接着
44巻3号(1993年6月発行)
特集 カルシウムイオンを介した調節機構の新しい問題点
44巻2号(1993年4月発行)
特集 蛋白質の細胞内転送とその異常
44巻1号(1993年2月発行)
座談会 脳と遺伝子
43巻6号(1992年12月発行)
特集 成長因子受容体/最近の進歩
43巻5号(1992年10月発行)
特集 〈研究室で役に立つ細胞株〉
43巻4号(1992年8月発行)
特集 細胞機能とリン酸化
43巻3号(1992年6月発行)
特集 血管新生
43巻2号(1992年4月発行)
特集 大脳皮質発達の化学的側面
43巻1号(1992年2月発行)
特集 意識と脳
42巻6号(1991年12月発行)
特集 細胞活動の日周リズム
42巻5号(1991年10月発行)
特集 神経系に作用する薬物マニュアル
42巻4号(1991年8月発行)
特集 開口分泌の細胞内過程
42巻3号(1991年6月発行)
特集 ペルオキシソーム/最近の進歩
42巻2号(1991年4月発行)
特集 脳の移植と再生
42巻1号(1991年2月発行)
特集 脳と免疫
41巻6号(1990年12月発行)
特集 注目の実験モデル動物
41巻5号(1990年10月発行)
特集 LTPとLTD:その分子機構
41巻4号(1990年8月発行)
特集 New proteins
41巻3号(1990年6月発行)
特集 シナプスの形成と動態
41巻2号(1990年4月発行)
特集 細胞接着
41巻1号(1990年2月発行)
特集 発がんのメカニズム/最近の知見
40巻6号(1989年12月発行)
特集 ギャップ結合
40巻5号(1989年10月発行)
特集 核内蛋白質
40巻4号(1989年8月発行)
特集 研究室で役に立つ新しい試薬
40巻3号(1989年6月発行)
特集 細胞骨格異常
40巻2号(1989年4月発行)
特集 大脳/神経科学からのアプローチ
40巻1号(1989年2月発行)
特集 分子進化
39巻6号(1988年12月発行)
特集 細胞内における蛋白質局在化機構
39巻5号(1988年10月発行)
特集 細胞測定法マニュアル
39巻4号(1988年8月発行)
特集 細胞外マトリックス
39巻3号(1988年6月発行)
特集 肺の微細構造と機能
39巻2号(1988年4月発行)
特集 生体運動の分子機構/研究の発展
39巻1号(1988年2月発行)
特集 遺伝子疾患解析の発展
38巻6号(1987年12月発行)
-チャンネルの最近の動向
38巻5号(1987年10月発行)
特集 細胞生物学における免疫実験マニュアル
38巻4号(1987年8月発行)
特集 視覚初期過程の分子機構
38巻3号(1987年6月発行)
特集 人間の脳
38巻2号(1987年4月発行)
特集 体液カルシウムのホメオスタシス
38巻1号(1987年2月発行)
特集 医学におけるブレイクスルー/基礎研究からの挑戦
37巻6号(1986年12月発行)
特集 神経活性物質受容体と情報伝達
37巻5号(1986年10月発行)
特集 中間径フィラメント
37巻4号(1986年8月発行)
特集 細胞生物学実験マニュアル
37巻3号(1986年6月発行)
特集 脳の化学的トポグラフィー
37巻2号(1986年4月発行)
特集 血小板凝集
37巻1号(1986年2月発行)
特集 脳のモデル
36巻6号(1985年12月発行)
特集 脂肪組織
36巻5号(1985年10月発行)
特集 細胞分裂をめぐって
36巻4号(1985年8月発行)
特集 神経科学実験マニュアル
36巻3号(1985年6月発行)
特集 血管内皮細胞と微小循環
36巻2号(1985年4月発行)
特集 肝細胞と胆汁酸分泌
36巻1号(1985年2月発行)
特集 Transmembrane Control
35巻6号(1984年12月発行)
特集 細胞毒マニュアル—実験に用いられる細胞毒の知識
35巻5号(1984年10月発行)
特集 中枢神経系の再構築
35巻4号(1984年8月発行)
特集 ゲノムの構造
35巻3号(1984年6月発行)
特集 神経科学の仮説
35巻2号(1984年4月発行)
特集 哺乳類の初期発生
35巻1号(1984年2月発行)
特集 細胞生物学の現状と展望
34巻6号(1983年12月発行)
特集 蛋白質の代謝回転
34巻5号(1983年10月発行)
特集 受容・応答の膜分子論
34巻4号(1983年8月発行)
特集 コンピュータによる生物現象の再構成
34巻3号(1983年6月発行)
特集 細胞の極性
34巻2号(1983年4月発行)
特集 モノアミン系
34巻1号(1983年2月発行)
特集 腸管の吸収機構
33巻6号(1982年12月発行)
特集 低栄養と生体機能
33巻5号(1982年10月発行)
特集 成長因子
33巻4号(1982年8月発行)
特集 リン酸化
33巻3号(1982年6月発行)
特集 神経発生の基礎
33巻2号(1982年4月発行)
特集 細胞の寿命と老化
33巻1号(1982年2月発行)
特集 細胞核
32巻6号(1981年12月発行)
特集 筋小胞体研究の進歩
32巻5号(1981年10月発行)
特集 ペプチド作働性シナプス
32巻4号(1981年8月発行)
特集 膜の転送
32巻3号(1981年6月発行)
特集 リポプロテイン
32巻2号(1981年4月発行)
特集 チャネルの概念と実体
32巻1号(1981年2月発行)
特集 細胞骨格
31巻6号(1980年12月発行)
特集 大脳の機能局在
31巻5号(1980年10月発行)
特集 カルシウムイオン受容タンパク
31巻4号(1980年8月発行)
特集 化学浸透共役仮説
31巻3号(1980年6月発行)
特集 赤血球膜の分子構築
31巻2号(1980年4月発行)
特集 免疫系の情報識別
31巻1号(1980年2月発行)
特集 ゴルジ装置
30巻6号(1979年12月発行)
特集 細胞間コミニケーション
30巻5号(1979年10月発行)
特集 In vitro運動系
30巻4号(1979年8月発行)
輸送系の調節
30巻3号(1979年6月発行)
特集 網膜の構造と機能
30巻2号(1979年4月発行)
特集 神経伝達物質の同定
30巻1号(1979年2月発行)
特集 生物物理学の進歩—第6回国際生物物理学会議より
29巻6号(1978年12月発行)
特集 最近の神経科学から
29巻5号(1978年10月発行)
特集 下垂体:前葉
29巻4号(1978年8月発行)
特集 中枢のペプチド
29巻3号(1978年6月発行)
特集 心臓のリズム発生
29巻2号(1978年4月発行)
特集 腎機能
29巻1号(1978年2月発行)
特集 膜脂質の再検討
28巻6号(1977年12月発行)
特集 青斑核
28巻5号(1977年10月発行)
特集 小胞体
28巻4号(1977年8月発行)
特集 微小管の構造と機能
28巻3号(1977年6月発行)
特集 神経回路網と脳機能
28巻2号(1977年4月発行)
特集 生体の修復
28巻1号(1977年2月発行)
特集 生体の科学の現状と動向
27巻6号(1976年12月発行)
特集 松果体
27巻5号(1976年10月発行)
特集 遺伝マウス・ラット
27巻4号(1976年8月発行)
特集 形質発現における制御
27巻3号(1976年6月発行)
特集 生体と化学的環境
27巻2号(1976年4月発行)
特集 分泌腺
27巻1号(1976年2月発行)
特集 光受容
26巻6号(1975年12月発行)
特集 自律神経と平滑筋の再検討
26巻5号(1975年10月発行)
特集 脳のプログラミング
26巻4号(1975年8月発行)
特集 受精機構をめぐつて
26巻3号(1975年6月発行)
特集 細胞表面と免疫
26巻2号(1975年4月発行)
特集 感覚有毛細胞
26巻1号(1975年2月発行)
特集 体内のセンサー
25巻5号(1974年12月発行)
特集 生体膜—その基本的課題
25巻4号(1974年8月発行)
特集 伝達物質と受容物質
25巻3号(1974年6月発行)
特集 脳の高次機能へのアプローチ
25巻2号(1974年4月発行)
特集 筋細胞の分化
25巻1号(1974年2月発行)
特集 生体の科学 展望と夢
24巻6号(1973年12月発行)
24巻5号(1973年10月発行)
24巻4号(1973年8月発行)
24巻3号(1973年6月発行)
24巻2号(1973年4月発行)
24巻1号(1973年2月発行)
23巻6号(1972年12月発行)
23巻5号(1972年10月発行)
23巻4号(1972年8月発行)
23巻3号(1972年6月発行)
23巻2号(1972年4月発行)
23巻1号(1972年2月発行)
22巻6号(1971年12月発行)
22巻5号(1971年10月発行)
22巻4号(1971年8月発行)
22巻3号(1971年6月発行)
22巻2号(1971年4月発行)
22巻1号(1971年2月発行)
21巻7号(1970年12月発行)
21巻6号(1970年10月発行)
21巻4号(1970年8月発行)
特集 代謝と機能
21巻5号(1970年8月発行)
21巻3号(1970年6月発行)
21巻2号(1970年4月発行)
21巻1号(1970年2月発行)
20巻6号(1969年12月発行)
20巻5号(1969年10月発行)
20巻4号(1969年8月発行)
20巻3号(1969年6月発行)
20巻2号(1969年4月発行)
20巻1号(1969年2月発行)
19巻6号(1968年12月発行)
19巻5号(1968年10月発行)
19巻4号(1968年8月発行)
19巻3号(1968年6月発行)
19巻2号(1968年4月発行)
19巻1号(1968年2月発行)
18巻6号(1967年12月発行)
18巻5号(1967年10月発行)
18巻4号(1967年8月発行)
18巻3号(1967年6月発行)
18巻2号(1967年4月発行)
18巻1号(1967年2月発行)
17巻6号(1966年12月発行)
17巻5号(1966年10月発行)
17巻4号(1966年8月発行)
17巻3号(1966年6月発行)
17巻2号(1966年4月発行)
17巻1号(1966年2月発行)
16巻6号(1965年12月発行)
16巻5号(1965年10月発行)
16巻4号(1965年8月発行)
16巻3号(1965年6月発行)
16巻2号(1965年4月発行)
16巻1号(1965年2月発行)
15巻6号(1964年12月発行)
特集 生体膜その3
15巻5号(1964年10月発行)
特集 生体膜その2
15巻4号(1964年8月発行)
特集 生体膜その1
15巻3号(1964年6月発行)
特集 第13回日本生理科学連合シンポジウム
15巻2号(1964年4月発行)
15巻1号(1964年2月発行)
14巻6号(1963年12月発行)
特集 興奮收縮伝関
14巻5号(1963年10月発行)
14巻4号(1963年8月発行)
14巻3号(1963年6月発行)
14巻1号(1963年2月発行)
特集 第9回中枢神経系の生理学シンポジウム
14巻2号(1963年2月発行)
13巻6号(1962年12月発行)
13巻5号(1962年10月発行)
特集 生物々理—生理学生物々理若手グループ第1回ミーティングから
13巻4号(1962年8月発行)
13巻3号(1962年6月発行)
13巻2号(1962年4月発行)
Symposium on Permeability of Biological Membranes
13巻1号(1962年2月発行)
12巻6号(1961年12月発行)
12巻5号(1961年10月発行)
12巻4号(1961年8月発行)
12巻3号(1961年6月発行)
12巻2号(1961年4月発行)
12巻1号(1961年2月発行)
11巻6号(1960年12月発行)
Symposium On Active Transport
11巻5号(1960年10月発行)
11巻4号(1960年8月発行)
11巻3号(1960年6月発行)
11巻2号(1960年4月発行)
11巻1号(1960年2月発行)
10巻6号(1959年12月発行)
10巻5号(1959年10月発行)
10巻4号(1959年8月発行)
10巻3号(1959年6月発行)
10巻2号(1959年4月発行)
10巻1号(1959年2月発行)
8巻6号(1957年12月発行)
8巻5号(1957年10月発行)
特集 酵素と生物
8巻4号(1957年8月発行)
8巻3号(1957年6月発行)
8巻2号(1957年4月発行)
8巻1号(1957年2月発行)