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仮説と戦略
Mg2+調節の制御機構とその異常による疾患
著者: 三木裕明1
所属機関: 1大阪大学微生物病研究所細胞制御分野
ページ範囲:P.173 - P.177
文献購入ページに移動 マグネシウムは生命維持に必要なミネラルの一つであり,Mg2+は細胞内でK+に次いで量の多い陽イオンとしても知られる。Na+,K+,Ca2+など,他の主要な金属イオンの膜輸送にかかわる多くのトランスポーターが同定され,様々な生命機能へのかかわりが分子レベルで理解されるようになった一方で,Mg2+に関しては大きく研究が遅れていた。特に,膜電位による静電力に逆らって細胞外にMg2+を排出するトランスポーターの分子実体は長らく不明であり,ごく最近まで細胞や個体レベルでのMg2+調節の基本的なしくみすら不明のままであった。また,細胞内のMg2+量がほぼ一定に保たれている一方で,その量を調節することの生物学的重要性についてはほとんど考慮されることもなかった。本稿では,筆者らが取り組んでいるCNNMファミリーの分子機能に基づく細胞や個体でのMg2+調節のしくみ,そして,その解析から明らかになってきた,がんなどのヒト疾患とのかかわりについて説明する。
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