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特集 脂質ワールド Ⅲ.新規脂質メディエーターと受容体
C型レクチン受容体ヒトMincleによるコレステロール結晶の認識
著者: 清武良子12 石川絵里1 山﨑晶1
所属機関: 1九州大学生体防御医学研究所分子免疫学分野 2福岡歯科大学総合医学講座眼科学分野
ページ範囲:P.237 - P.241
文献購入ページに移動これらPRRsのなかで,C型レクチン受容体(C-type lectin receptors;CLRs)は,Ca2+依存的に糖鎖を認識すると考えられているが,近年,タンパク質や脂質,結晶など広く多様なリガンドを認識することが明らかとなってきつつある2,3)。macrophage-inducible C-type lectin(Mincle,別名Clec4e/Clecsf9)は,ストレスに伴ってマクロファージや樹状細胞に発現が誘導されるCLRであり,筆者らは,MincleがITAM(immunoreceptor tyrosine-based activation motif)を有するアダプター分子Fc受容体γ鎖(FcRγ)と会合し,シグナルを伝達することを見いだした4)。また,Mincleが結核菌の細胞壁に含まれる免疫賦活物質である糖脂質,TDM(trehalose 6,6'-dimycolate)や,病原性真菌マラセチアの成分である糖脂質をリガンドとして認識することを明らかにした5,6)。一方,Mincleは病原体だけでなく死細胞より放出されるタンパク質も認識することがわかっているが4),自己の脂質をDAMPsとして認識するかは不明であった。
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