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文献詳細

雑誌文献

生体の科学67巻3号

2016年06月発行

文献概要

特集 脂質ワールド Ⅳ.種を越えた脂質の働き

ゼブラフィッシュをモデル生物として用いる脂質メディエーター研究

著者: 木瀬亮次1 青木淳賢1

所属機関: 1東北大学大学院薬学研究科分子細胞生化学分野

ページ範囲:P.258 - P.263

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 タンパク質や核酸の構造とは異なり,脂質の構造は種間で高く保存されている。例えばタンパク質では,ヒトとマウス間のアミノ酸の相同性はタンパク質の種類にもよるが,80-99%以上,ヒトとゼブラフィッシュ間では70-90%程度の相同性を示すのに対し,リン脂質やコレステロールの構造はヒト,マウス,ゼブラフィッシュを含めた脊椎動物でほぼ完全に保存されている。また,種が離れると構成する脂質の組成にも違いがみられるが,脊椎動物では,リン脂質の組成,脂肪酸組成,コレステロール比などが高く保存されていることは非常に興味深い。特に,本稿で述べる脂質メディエーターの構造は,脊椎動物以上でほぼ完全に保存されている。更に,対応する産生酵素,受容体,トランスポーターも高い相同性を示し,保存されている。したがって,脂質メディエーターの機能は脊椎動物以上で保存されていることが予想される。本稿では,ゼブラフィッシュの脂質研究への応用例の一つとして,脊椎動物で保存されている脂質メディエーターの生理機能解明への応用例を紹介する

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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