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文献詳細

雑誌文献

生体の科学67巻4号

2016年08月発行

文献概要

特集 認知症・神経変性疾患の克服への挑戦 Ⅰ.従来の主要な臨床試験の結果と考察

1990年以後の神経栄養因子臨床試験からの知見と教訓

著者: 岡澤均12 本木和美12

所属機関: 1東京医科歯科大学難治疾患研究所 2東京医科歯科大学脳統合機能研究センター神経病理学分野

ページ範囲:P.291 - P.295

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 神経発生で神経栄養因子を神経変性疾患の治療に用いる試みは,1990年代に始まった。2000年代までには,insulin-like growth factor 1(IFG1),brain-derived neurotrophic factor(BDNF)など複数の神経栄養因子が筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis;ALS)の治療を目的としたヒト臨床試験PhaseⅢに至ったが,有効性はすべて否定された。この結果は,今後の神経変性疾患の治療戦略を考えるうえで多くの教訓を含んでいるが,それを理解するためには,神経栄養因子そのものの成り立ちを考えることも必要であろう。そこで本稿では,神経栄養因子とは何か(歴史),1990-2000年代の臨床試験の詳細,そして,それを踏まえた将来戦略について議論してみたい。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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