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文献詳細

雑誌文献

生体の科学67巻4号

2016年08月発行

文献概要

特集 認知症・神経変性疾患の克服への挑戦 Ⅱ.分子標的治療の確立を目指して

タウ凝集を標的にした認知症治療

著者: 高島明彦1 添田義行2

所属機関: 1学習院大学理学部生命科学科 2福島県立医科大学医療研究推進センター

ページ範囲:P.303 - P.308

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 アルツハイマー病(Alzheimer's disease;AD)ではアミロイドβ(amyloid β;Aβ)蓄積,神経原線維変化と呼ばれる神経細胞内でのリン酸化タウの蓄積が特徴的な病理像とされている。Aβ蓄積はアルツハイマー病に特異的に存在し,神経原線維変化はアルツハイマー病を含む前頭側頭葉認知症など多くの認知症で観察されタウオパチーと総称される。
 ADの根本治療薬としてAβ産生抑制,老人斑除去の治験が行われたが,老人斑が除去されても認知症進行を抑制できないことから,認知症発症のかなり前段階で治療を開始する予防薬(先制治療薬)としての開発が行われている。このことは,AβはADの発症要因ではあるが,認知症を引き起こす直接の原因ではなく,脳老化を加速する修飾因子として作用していることが示唆される。

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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