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文献詳細

雑誌文献

生体の科学67巻5号

2016年10月発行

文献概要

増大特集 病態バイオマーカーの“いま” Ⅰ.循環器疾患・血液疾患

レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系の新たな展開

著者: 名越智古1 吉村道博1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学内科学講座循環器内科

ページ範囲:P.382 - P.383

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 レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(RAAS)は元来,生物が海から陸上へと進出する進化の過程で,海水と同じ組成の細胞外液を体内に保持し,陸上での生存を可能にするために発達し獲得された。一方,重症心血管疾患において賦活化されるRAASは,末梢血管抵抗を上昇させ,体液中のナトリウムを貯蓄させることで循環動態の維持に働く,いわば生体の代償機転と考えられる。しかしながら,その持続的過剰活性は心臓や腎臓,血管において肥大や線維化,酸化ストレス発生などを引き起こし,逆に病態を悪化させるようになる。このように,進化の時間軸からするとあまりに劇的に変化した現代の生活環境において,生命の維持に不可欠であるはずのRAASは,その生理学的意義に反し,様々な心血管疾患の病態形成に寄与している。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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