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増大特集 病態バイオマーカーの“いま” Ⅰ.循環器疾患・血液疾患
血小板由来マイクロパーティクルと冠動脈疾患
著者: 井上晃男1
所属機関: 1獨協医科大学心臓・血管内科
ページ範囲:P.388 - P.389
文献購入ページに移動 血小板由来マイクロパーティクル(PDMP)は,血小板の活性化顆粒内容物の一部が血小板膜に包まれたまま千切れてできた膜小胞体である。PDMPはプロコアグラント活性を有し,動脈硬化の様々なプロセスにおける炎症機転にもかかわる重要な機能粒子である。PDMPはフローサイトメトリーで検出されるが,より簡便な酵素免疫測定(ELISA)法でも測定できる。筆者らは,ELISA法による測定で急性冠症候群(ACS)における高値や冠動脈インターベンション(PCI)後の経時的増加を観察した。PDMPの測定により,プラーク不安定化やPCI後の傷害血管壁の病態を把握できるばかりでなく,各種治療によりプラークの安定化を図る際や傷害血管の修復の指標となる可能性がある。
参考文献
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