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増大特集 病態バイオマーカーの“いま” Ⅱ.腎疾患
慢性腎臓病のバイオマーカー
著者: 石原仁毅1 柳田素子1
所属機関: 1京都大学大学院医学研究科腎臓内科学
ページ範囲:P.412 - P.413
文献購入ページに移動 わが国の慢性腎臓病(CKD)患者は1,300万人存在すると報告されており,これは成人の約13%であり,糖尿病・高血圧と並ぶ国民病と言って過言ではない。CKDが進行し,末期腎不全に至ると人工透析が必要となるが,人工透析を受けている患者は,2015年には約32万人となり1),血液透析では一人当たり1年で500万円以上医療費がかかることから,医療経済の面でも問題となっている。また,CKDは心筋梗塞や脳卒中の危険因子としても知られており,その対策が急務となっている。
バイオマーカーは,「通常の生物学的過程,病理学的過程,もしくは治療的介入に対する薬理学的応答の指標として,客観的に測定され評価される特性」と定義される2)。すなわち病気の進行や薬剤の効果など,生体内における生物学的な変化を定量的に把握するための指標となる物質を指し,採取が比較的容易な血液や尿に含まれるタンパク質などが用いられることが多い。本稿では既存の腎バイオマーカーについて概説する。
バイオマーカーは,「通常の生物学的過程,病理学的過程,もしくは治療的介入に対する薬理学的応答の指標として,客観的に測定され評価される特性」と定義される2)。すなわち病気の進行や薬剤の効果など,生体内における生物学的な変化を定量的に把握するための指標となる物質を指し,採取が比較的容易な血液や尿に含まれるタンパク質などが用いられることが多い。本稿では既存の腎バイオマーカーについて概説する。
参考文献
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