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文献詳細

雑誌文献

生体の科学67巻5号

2016年10月発行

増大特集 病態バイオマーカーの“いま”

Ⅳ.炎症・線維化

アドレノメデュリンと関連ペプチドの疾患マーカーとしての意義

著者: 北村和雄1

所属機関: 1宮崎大学医学部内科学講座循環体液制御学分野

ページ範囲:P.434 - P.435

文献概要

 アドレノメデュリン(AM)は1993年に褐色細胞腫抽出液より単離同定された,強力な血管拡張作用を有する生理活性ペプチドである1)。当初は循環調節ペプチドとしての研究が推進されたが,その後の研究でAMが全身臓器で分布発現しており,血管新生作用,心血管系保護作用,腎保護作用,抗酸化作用,抗アポトーシス作用,インスリン抵抗性の改善など,極めて多彩な生理作用を有することが判明している2)。また,AMの産生分泌は,心筋や血管壁伸展などの機械的刺激をはじめ,炎症性サイトカインなどの炎症惹起因子,アンジオテンシンⅡ,酸化ストレス,虚血や低酸素刺激など種々の因子によって増加することが判明している。それに伴い,循環器疾患や炎症性疾患ではAMの血中濃度が増加している。本稿では,AMおよびAM前駆体の非活性フラグメントであるmid-regional proadrenomedullin(MR-proADM)の疾患マーカーとしての可能性について言及したい。

参考文献

. 192:553-560, 1993
2)Kato J, Kitamura K:Adrenomedullin peptides. In Kastin AJ(ed):Handbook of Biologically Active Peptides, Second Edition, pp1361-1368. Academic Press, San Diego, 2013
. 4:43-49, 2015
. 52:1433-1435, 2014
. 108:1569-1580, 2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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