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文献詳細

雑誌文献

生体の科学67巻5号

2016年10月発行

文献概要

増大特集 病態バイオマーカーの“いま” Ⅳ.炎症・線維化

サイトカインとCOPD

著者: 木下隆1 坂﨑優樹1 松岡昌信1 徳永佳尚1 星野友昭1

所属機関: 1久留米大学医学部内科学講座呼吸器神経膠原病内科部門

ページ範囲:P.442 - P.443

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 慢性閉塞性肺疾患(COPD)は,吸入されたタバコ煙などの有害物質を長期に曝露することで生じる肺の炎症性疾患である。COPDの発症,進展のメカニズムは,酸化ストレスおよび肺における過剰なプロテアーゼの発現によって,炎症反応が更に増強され,気腫性病変などの特徴的な病理学的変化が引き起こされる。これらは,プロテアーゼ・アンチプロテアーゼ不均衡説,またはオキシダント・アンチオキシダント不均衡説で提唱されてきた。近年,COPDは肺の炎症のみならず全身性炎症が存在し,様々なサイトカインを含めた炎症性メディエーターの上昇が認められる。全身性炎症の発症機序として,肺で産生された炎症性サイトカインの“spillover”が想定されている。このように,COPDの病態には深くサイトカインが関与していることが推測される1)(図)。本稿では,COPDに関与するサイトカイン,特に炎症性サイトカインインターロイキン(interleukin;IL)-18を中心に,筆者らの研究も含めて解説する。

参考文献

. 7:e1000220, 2010
. 11:295-303, 2016
. 176:49-62, 2007
. 445:597-601, 2014
. 31:287-297, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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