文献詳細
増大特集 病態バイオマーカーの“いま”
Ⅴ.がん
文献概要
CA125はMUC16と同義の1回膜貫通型ムチンで,抗原決定基は細胞外ドメインのコアタンパク質に存在する。細胞膜近傍で切断され遊離したものは血清値として測定される。細胞外ドメインは高度にグリコシル化され,生化学構造はいまだ解明しきれていない。コアタンパク質は2-5×106Daで,N末端,タンデムリピート,C末端の三つのドメインに大別される。CA125はがん細胞同士や腹膜中皮との接着,免疫細胞とのクロストークなどに関与する。健常な結膜,気道上皮などに分布するほか,羊水や授乳液中にも分泌される。主に腫瘍マーカーとして利用されているが,CA125を標的とした治療薬開発も進んでいる。
参考文献
. 68:1331-1337, 1981
. 22:348-366, 2001
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掲載誌情報