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文献詳細

雑誌文献

生体の科学67巻5号

2016年10月発行

文献概要

増大特集 病態バイオマーカーの“いま” Ⅴ.がん

がん個別化医療におけるコンパニオン診断薬

著者: 登勉1

所属機関: 1小山田記念温泉病院小児リハビリテーション科

ページ範囲:P.478 - P.479

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 2015年1月,オバマ米国大統領は一般教書演説でPrecision Medicine Initiativeを提案した。この演説では,precision medicineは,治療の成功率を改善するために,分子レベルでの病気の分類と共に患者個人のゲノム情報を考慮して治療することと定義された。そして,短期的には,より良いがんの治療法の開発と提供が目標とされた。Precision medicineはpersonalized medicineとも表現され,後者は個別化医療と訳されて多くの文献で使用されている。従来の治療戦略(one-size-fits-all approach)では,病名に基づく治療が実施されているが,治療の奏効率は低く,かつ有害事象の発生も増えることになる。一方,個別化医療戦略は,病気を分子レベルで分類し,患者のゲノム情報を基に最適な治療法を選択することであり,高い奏効率と重篤な副作用の回避が期待できる。個別化医療が最も進んでいるのは,がん治療分野であるが,他の疾患や分野にも拡大することが予想される。がん個別化医療におけるコンパニオン診断薬について,臨床応用の現状と課題について述べる。

参考文献

1)Guidance for Industry and Food and Drug Administration Staff-In Vitro Companion Diagnostic Devices:http://www.fda.gov/downloads/medicaldevices/deviceregulationandguidance/guidancedocuments/ucm262327.pdf.
. 17:1157, 2011
3)厚生労働省:薬食審査発0701第10号厚生労働省医薬食品局審査管理課長「コンパニオン診断薬等及び関連する医薬品の承認申請に係る留意事項について」(2013年7月1日).https://www.pmda.go.jp/files/000157744.pdf
. 9:25-34, 2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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