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文献詳細

雑誌文献

生体の科学67巻5号

2016年10月発行

文献概要

増大特集 病態バイオマーカーの“いま” Ⅵ.精神・神経疾患 1.気分障害

インターロイキン-6と大うつ病:治療反応性との関連を含めて

著者: 吉村玲児1

所属機関: 1産業医科大学精神医学

ページ範囲:P.482 - P.483

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 サイトカインの一つであるインターロイキン-6(IL-6)と大うつ病(MDD)との関係を検討した。血清IL-6濃度はMDD群で健常者(HC)群と比較して有意に高値であった。SSRI,SNRI反応群では8週間後の血清IL-6濃度が低下した。更に,抗うつ薬の投与回数が多いほど,baselineの血清IL-6濃度が高値を示した。以上の結果から,血清IL-6濃度はMDDのstate markerであり,難治化の指標となる可能性もある。今後,IL-6受容体を標的分子とした創薬が難治性うつ病の治療薬として期待できるかもしれない。

参考文献

. 1863:1218-1227, 2016
. 2016 Feb 23. doi:10.1038/mp.2016.3. [Epub ahead of print]
. 28:466-470, 2013
. 25:566-569, 2010
. 33:722-726, 2009
. 9:e107791, 2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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