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文献詳細

雑誌文献

生体の科学67巻5号

2016年10月発行

文献概要

増大特集 病態バイオマーカーの“いま” Ⅵ.精神・神経疾患 7.特発性正常圧水頭症

糖鎖バイオマーカーによる特発性正常圧水頭症と神経変性疾患の鑑別

著者: 星京香1 吉原章王2 深津真彦3 金子知香子4 伊藤浩美1 橋本康弘1

所属機関: 1福島県立医科大学医学部生化学講座 2大原綜合病院神経内科 3福島県立医科大学医学部循環器・血液内科学講座 4総合南東北病院神経内科

ページ範囲:P.498 - P.499

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 特発性正常圧水頭症(iNPH)は,認知症,歩行障害を示す老人性の水頭症である。水頭症は髄液代謝異常に基づくことから,髄液に特徴的な分子のスクリーニングを行ったところ,ユニークな糖鎖修飾を受けたトランスフェリン(Tf)が見いだされた。この“脳型”Tfは,iNPHの診断マーカーとなることが示された。また,認知症の代表疾患であるアルツハイマー病との鑑別が可能であった。一方,歩行障害を示すパーキンソン病では,iNPHと同様のマーカー変化を示すサブグループの存在が示された。このサブグループのTfマーカーは,Q-Qプロットで直線性を示すことから,正規分布を示す独立したグループであることが示された。このグループに特徴的な臨床症状の探索を行っている。

参考文献

. 277:95-105, 2010
. 33:1807-1815, 2012
. 2016 pii:mvw015.[epub ahead of print]
. 10:230-240, 2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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