文献詳細
文献概要
特集 時間生物学の新展開
シアノバクテリアの概日時計タンパク質KaiCによる計時機構
著者: 伊藤(三輪)久美子1 村中智明1 近藤孝男1
所属機関: 1名古屋大学大学院理学研究科生命理学専攻計時機構グループ
ページ範囲:P.507 - P.511
文献購入ページに移動①温度や光が一定の恒常条件下で約24時間周期のリズム(概日リズム)が続く。
②温度を変えても周期は変わらない(周期の温度補償性)。
③温度・光などの外環境サイクルに振動が同調する。
これらの条件をすべて満たすことで,初めて概日時計は地球上での生活に役立ち,自然選択の過程で獲得され,維持されてきた。したがって,これらの特徴を裏付けている物質的基礎を説明しなければ,概日時計の謎を解明したことにならない。生命の進化の初期過程(水を分解する光合成とそれに伴う酸素発生,あるいは植物の葉緑体への発達など)を人類に示してくれたシアノバクテリアも概日リズムを示す。本稿では,シアノバクテリア(
参考文献
掲載誌情報