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文献詳細

雑誌文献

生体の科学67巻6号

2016年12月発行

文献概要

特集 時間生物学の新展開

概年リズムの特徴と生理機構

著者: 宮崎洋祐1 西村知良2 沼田英治3

所属機関: 1大阪市立大学大学院理学研究科 2日本大学生物資源科学部 3京都大学大学院理学研究科動物学教室

ページ範囲:P.564 - P.568

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 概年リズムとは,およそ1年周期の生物リズムである。1957年にキンイロジリスの冬眠についての概年リズムが発見され1),それ以後,単細胞の渦鞭毛藻2),高等植物,刺胞動物から哺乳類に至る様々な動物で報告されている3)。しかし,分子や細胞のレベルでそのしくみが明らかになっている概日リズムとは異なり,概年リズムは不明なことの多い謎のしくみである。筆者らは,ヒメマルカツオブシムシの概年リズムの研究に長く携わってきた。本稿では,その研究結果も紹介しながら概年リズムをもたらす生理機構について考えてみたい。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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