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文献詳細

雑誌文献

生体の科学67巻6号

2016年12月発行

特集 時間生物学の新展開

体内時計の分子機構を基盤にした創薬・育薬

著者: 大戸茂弘1

所属機関: 1九州大学大学院薬学研究院薬剤学分野

ページ範囲:P.574 - P.578

文献概要

 生体には体内時計が存在し,その本体は視神経が交差する視交叉上核(suprachiasmatic nuclei;SCN)に位置し,時計遺伝子により制御されている1,2)。例えば,がん,循環器疾患,メタボリックシンドロームなど多くの疾患のリスクに時計遺伝子が関与している。一方で,生体リズムの変容が,がん患者の延命効果に影響する。こうした状況のなかで,医薬品の添付文書などに服薬時刻が明示されるようになってきた。その背景として,生体機能や疾患症状に日周リズムが存在するため,投薬時刻により薬の効き方が大きく異なることが挙げられる(時間薬理学:chronopharmacology)1,2)。また,薬の効き方を決定する,薬の体内での動き方や薬に対する生体の感じ方も生体リズムの影響を受ける。そこで,体内時計の分子機構を基盤にした創薬・育薬の視点から,新たな創薬ストラテジーについて紹介する。

参考文献

. 62:859-875, 2010
. 62:885-897, 2010
. 74:543-551, 2014
. 134:1636-1644, 2014
. 291:4913-4927, 2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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