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文献詳細

雑誌文献

生体の科学67巻6号

2016年12月発行

文献概要

特集 時間生物学の新展開

精神疾患の時間生物学的考察

著者: 戸谷豪志12 福本景太13 玉田紘太1 三澤日出巳2 内匠透13

所属機関: 1理化学研究所脳科学総合研究センター 2慶應義塾大学薬学部薬科学科 3広島大学大学院医歯薬保健学研究科

ページ範囲:P.584 - P.588

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 概日リズムが睡眠・覚醒リズムを決定するが,睡眠障害はうつに限らず広く精神疾患の初発症状として頻繁にみられる。また,双極性障害や季節性感情障害と概日リズムとの関係は従来からよく知られている1)。本稿では,精神疾患研究のなかでも最近急速に研究が発展してきた自閉スペクトラム症(autism spectrum disorder;ASD)研究を中心に考察する。ASDは生後3歳までに発症する発達障害である。ASD患者は社会性の低下,反復行動,興味の限定などの症状を示す。ASDを含む精神疾患の多くは,睡眠障害など“概日リズム異常”を併発することが多い。しかし,なぜ精神疾患患者で概日リズム障害が多く発症するか,また,どのような機序によりリズム障害が起こるのかはいまだ不明な点が多い。本稿では,近年多数作製されているASDモデル動物における研究成果を紹介し,ASDと概日リズム異常の関連性について概説したい。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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