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特集 大脳皮質—成り立ちから機能へ
大脳皮質の再生─分子技術と神経発生生物学の融合によるアプローチ
著者: 味岡逸樹12
所属機関: 1東京医科歯科大学脳統合機能研究センター 2科学技術振興機構さきがけ「分子技術と新機能創出」
ページ範囲:P.38 - P.42
文献購入ページに移動脳損傷とは,外傷性脳損傷だけでなく,脳血管の梗塞や出血を原因とする脳卒中も含み,例えば,血管梗塞によって運動野が損傷されれば,対側の麻痺が起こる。一方,変性疾患は特定のニューロンが徐々に死滅する疾患で,例えば,アルツハイマー病では大脳皮質ニューロンが死滅し,認知障害などが起こる。高齢者に多い脳損傷や変性疾患は,患者や家族のQOL低下にとどまらず,急速な少子高齢化に直面している先進諸国において様々な社会問題を引き起こす要因となっている。したがって,その治療法開発は,従来の方法論を超えた様々な研究アプローチ,そして,多くの研究者の叡智を統合して進められるべき課題であることに疑いの余地はない。
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