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文献詳細

雑誌文献

生体の科学68巻1号

2017年02月発行

文献概要

特集 大脳皮質—成り立ちから機能へ

大脳皮質局所回路─古典的競合選択モデルの実験的検証と混合選択性細胞

著者: 森田賢治1 川口泰雄2

所属機関: 1東京大学大学院教育学研究科身体教育学コース 2生理学研究所 大脳神経回路論研究部門

ページ範囲:P.43 - P.47

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 大脳皮質の前頭前野や頭頂葉連合野などの局所回路の機能については,特定の行動や意思を表す神経細胞集団が存在し,興奮性・抑制性相互作用を介して行動選択・意思決定が行われるという説が,様々な実験による示唆および神経回路の数理モデルによる解析・シミュレーションによって,かねてから唱えられてきた。最近,実験と理論を組み合わせた新たな手法を用いてこの説の検証が行われつつあるため,それらについて紹介したい。あわせて,回路モデルの妥当性の検証の難しさおよびこの先の発展性についても短く議論する。また,一方では,そのように特定の行動・意思など単一の対象への選択性を持つのではなく,様々な対象に対する混合的な選択性を持つ神経細胞が多く存在することも知られていたが,その機能的意義についてはあまり顧みられてこなかった。最近,この点に関して理論的な面からの検討が行われつつあるため,それについても概観したい。更に,学習可能性に関する現時点での困難点と,それと関連する可能性のある視点についても議論する。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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