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文献詳細

雑誌文献

生体の科学68巻1号

2017年02月発行

特集 大脳皮質—成り立ちから機能へ

臨界期の機構─子どもの脳の柔軟性を紐解く

著者: 酒井晶子1 杉山清佳1

所属機関: 1新潟大学大学院医歯学総合研究科神経発達学分野

ページ範囲:P.54 - P.58

文献概要

 幼年期の脳には,環境から受けた刺激や経験に応じて神経回路が活発に再構築される時期がある。これは“臨界期”と呼ばれ,生涯の中で生後の一時期にしか現れない。“三つ子の魂百まで”のゆえんである。視覚モデルにおいて臨界期の活性化は,生後の経験により抑制性ニューロンが発達し,成熟する過程で起こることがわかってきている。自閉症などの精神疾患では臨界期の異常がみられるように,経験を通じて興奮性/抑制性のバランスが整えられることが脳の機能発達に重要である。

参考文献

1)杉山清佳:脳発達の臨界期.三品昌美編:分子脳科学,pp260-272.化学同人,京都,2015
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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