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特集 大脳皮質—成り立ちから機能へ
睡眠時におけるトップダウン入力と感性の記憶
著者: 平井大地1 宮本大祐123 村山正宜1
所属機関: 1理化学研究所脳科学総合研究センター行動神経生理学研究チーム 2名古屋大学環境医学研究所神経系分野Ⅱ 3日本学術振興会
ページ範囲:P.69 - P.73
文献購入ページに移動記憶の固定化には睡眠の関与が知られている。感覚情報などの外部からの入力が少ない睡眠時の脳内において,内因的な情報により知覚記憶が定着すると考えられている3)。しかし,具体的にどの脳回路が知覚記憶の定着に関与するかは不明であった。筆者らは2015年,大脳新皮質内の第二運動野(M2)という高次な領域からS1への“トップダウン入力”が,マウスの皮膚感覚の正常な知覚に関与することを明らかにした4)。マウスにおいてこのトップダウン入力を抑制すると,皮膚感覚の正常な知覚が阻害されることが見いだされた。そこで筆者らは,トップダウン回路が知覚記憶の定着に関与する可能性を探った5)。
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