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文献詳細

雑誌文献

生体の科学68巻2号

2017年04月発行

文献概要

特集 細菌叢解析の光と影 Ⅰ.総論

マイクロバイオーム研究からホロビオーム研究への新展開

著者: 藤吉奏1 村瀬一典1 丸山史人1

所属機関: 1京都大学大学院医学研究科微生物感染症学分野

ページ範囲:P.97 - P.101

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 微生物叢(マイクロバイオーム)研究の進展に伴い,未培養微生物を含めた網羅的な微生物の解析が推進されることとなった。これにより,ヒト微生物叢の状態と様々な疾患との相関関係が見いだされている。また近年,治療のための抗生物質投与が常在微生物(叢)だけでなく,宿主へも影響を及ぼすことが明らかとなってきた。そのため,発症や進行に複数の因子が複雑に連関する難治性複合感染症の発症機構解明および新規標的分子の選定と,それらに効率的に作用する治療薬の開発には,微生物に焦点を当てた“マイクロバイオーム”だけでなく,宿主-微生物を一つの共同体として扱う“ホロビオーム”の観点およびその統合的な解析が求められている。本稿では,複合感染症の代表として,筆者らが行っている歯周炎と周囲炎のメタゲノム解析の研究成果を紹介し,ホロビオームの観点から新たな治療法を開発するためのデータマイニングについて概説する(図1)。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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