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文献詳細

雑誌文献

生体の科学68巻2号

2017年04月発行

特集 細菌叢解析の光と影

Ⅲ.腸内細菌

新生児腸内細菌叢はどのように形成されるか?

著者: 澤新一郎1

所属機関: 1北海道大学遺伝子病制御研究所感染病態学

ページ範囲:P.136 - P.139

文献概要

 近年の網羅的核酸解析技術の発達により,個人のゲノム情報解読のみならず腸管,口腔や皮膚といった組織に常在する細菌叢の解析が急速に進んだ。それに伴い,自己免疫疾患や代謝疾患,高次脳機能などの様々な疾患とゲノム,腸内細菌叢の関係が明らかになってきており,糞便移植やプロバイオティクス療法など,腸内細菌叢の人為的変容を目的とした新規治療法の開発が世界的に進められている。
 一方,個体レベルの多様な腸内細菌叢がどのように形成され,維持されるかという課題に関しては不明な点が多い。本稿では,腸内細菌がいつ,どこからどのようにわれわれの腸管に生着するのか,という疑問に応えるべく,最新の知見を交えて紹介する。また,腸内細菌叢の選択に関与すると考えられる新生児腸管免疫システムを紹介し,更に新生児の重篤な腸炎である壊死性腸炎と腸内細菌の関連についても紹介する。

参考文献

1)Tissier H:Recherches sur la flore intestinale des nourrissons(état normal et pathologique). Thesis. Paris:G. Carre and C. Naud, 1900
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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