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文献詳細

雑誌文献

生体の科学68巻3号

2017年06月発行

文献概要

解説

培養細胞の品質管理と標準化

著者: 中村幸夫1

所属機関: 1理化学研究所バイオリソースセンター細胞材料開発室

ページ範囲:P.266 - P.272

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 研究材料の品質管理と標準化は,それを用いた研究結果の再現性を担保する意味においてきわめて重要である。生命科学研究分野で使用される研究材料は,実験動物,細胞生物学的材料,分子生物学的材料など広範に存在する。そのなかで,細胞材料を用いた実験はin vivo実験の入口であり,様々な研究分野において汎用されている。特に,培養細胞は広く多くの研究者が共有して使用できる研究材料として,生命科学研究において必須のアイテムとなっている。
 実験動物を用いた研究においては,個体間誤差が大きな問題となる。それがゆえに,遺伝的なバックグラウンドを均一にした近交系動物を使用することが標準的となっている。しかし,近交系動物を使用してさえいれば個体間誤差を無視できるわけではない。どのような環境でどのように飼育されるかで,実験結果は大きく異なってしまうことが多い。それは細胞材料を用いた実験においても同じであり,どのような環境でどのように培養されるかで,実験結果は大きく異なってしまう。すなわち,実験動物を用いた研究であれ,培養細胞を用いた研究であれ,もとになる研究材料(マウス,細胞など)の品質管理と標準化のみならず,その使用方法に関する標準化も伴わなければ,実験の総体としての再現性が担保できないこととなる。

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14)中村幸夫監修:あなたの細胞培養,大丈夫ですか?羊土社,東京,2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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