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文献詳細

雑誌文献

生体の科学68巻4号

2017年08月発行

文献概要

特集 血管制御系と疾患

血管制御系VEGFシグナルとがん治療

著者: 澁谷正史1

所属機関: 1上武大学

ページ範囲:P.290 - P.294

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 われわれ脊椎動物は閉鎖血管系を持ち,組織への栄養と酸素の供給,また,老廃物の回収を行っている。リンパ管系も脂質や免疫細胞の輸送系として働く。血管系は,動脈硬化や心筋梗塞などの循環器系疾患のみならず,死因の第1位であるがんの増殖・転移などの悪性化に深く関与する。がんにおける血管系の重要性をもとに,米国のFolkman博士は1970年代に新しいがん治療法として腫瘍血管の抑制剤を提唱した。しかし,その当時はどのような分子機構が生理的・病的血管新生に関与するかは不明で,薬剤の開発は困難であった。その後,研究の進展により,血管新生の中心的制御系は,本稿のテーマであるVEGF-VEGF受容体(以下,VEGFR)システムであることが明らかとなり,がんのみならず,血管が関連する他の疾患に対しても新規治療薬の重要な分子標的となっている(図1)。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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