生体の科学68巻5号

2017年10月発行

増大特集 細胞多様性解明に資する光技術─見て，動かす Ⅱ．見えなかったものを視る

生細胞における細胞内局在特異的分子標識法

著者： 藤沢有磨¹ 田村朋則¹ 浜地格¹

所属機関： ¹京都大学大学院工学研究科合成・生物化学専攻

ページ範囲：P.428 - P.429

　細胞内には核やミトコンドリアといった様々なオルガネラ（細胞内小器官）が存在し，それぞれ固有の構造・機能を有している。オルガネラの機能は疾患や特定の細胞応答と密接に関係していることから，その主要構成成分であるタンパク質のオルガネラごとの網羅解析は重要な課題である。最近筆者らは，オルガネラに存在するタンパク質群を選択的に化学修飾し同定解析するための分子ツールとして“オルガネラ局在性修飾試薬”を開発した^1）。本稿ではこの新しいオルガネラプロテオミクス法について解説する。

参考文献

. 138：7592-7602, 2016

. 280：5626-5634, 2013

. 339：1328-1331, 2013

. 45：265-267, 2016