生体の科学68巻5号

2017年10月発行

増大特集 細胞多様性解明に資する光技術─見て，動かす Ⅳ．狙ったものを動かす

光によるショウジョウバエ中枢回路の機能解剖

著者： 能瀬聡直¹ 高坂洋史¹ 伏木彬¹²

所属機関： ¹東京大学大学院新領域創成科学研究科 ²

ページ範囲：P.478 - P.479

　神経活動を“見て，動かす”光技術を脳神経回路の理解につなげるためには，光操作・測定を個々の神経細胞種にピンポイントに適用し，更に，得られた知見を回路の構造に照らして考察する必要がある。本稿では，最近の技術革新により，このような解析が可能となりつつあるショウジョウバエ幼虫（以下“幼虫”）を用いた研究について概説する。特に，細胞種特異的Gal4系統のコレクションやコネクトミクス解析などの技術進展について解説し，このような技術を用いて運動制御の回路メカニズムを明らかにした筆者らの研究を紹介したい。

参考文献

. 8：897-908, 2014

. 24：2632-2642, 2014

. 520：633-639, 2015

. 5. pii：13253, 2016

. 167：858-870, 2016