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特集 心臓の発生・再生・創生 Ⅰ.心臓の発生と進化
心臓の起源─心筋分化と区画化形成
著者: 小柴和子1
所属機関: 1東洋大学生命科学部応用生物科学科
ページ範囲:P.509 - P.513
文献購入ページに移動多くの動物は血液などの体液を循環させるシステムを有しており,系統的にみると,左右相称動物の主要な3つのグループである新口動物,脱皮動物,冠輪動物は何らかのポンプ器官を持つ(図1)1,2)。そのなかで,複数の区画(チャンバー)から成る心臓を有する動物は脊椎動物と軟体動物で,その他の動物は“心臓”と呼ばれるポンプ器官を持ちながら,区画はなく管が拍動しながら体液を移動させている。図1のように系統的に同じグループに属しながらもポンプ器官を有しない動物が存在することを考えると,左右相称動物の共通の祖先は原始的なポンプ器官を有していたが,その後の進化の過程で,一部動物はポンプ器官を失っていったことが推察される。
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