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文献詳細

雑誌文献

生体の科学68巻6号

2017年12月発行

文献概要

特集 心臓の発生・再生・創生 Ⅱ.心臓形成の制御機構

心臓発生・疾患とクロマチンリモデリング複合体

著者: 中川博揮1 竹内純1

所属機関: 1東京医科歯科大学難治疾患研究所

ページ範囲:P.536 - P.542

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 心臓は心筋だけでなく線維芽細胞や血管内皮細胞を含む10種類以上の細胞種から構成される。そのため,心臓研究は複雑で年々多角化してきているが,胚性幹(ES)/人為的多能性幹(iPS)細胞研究の進展に従って,心臓誘導や心臓再生を引き起こす因子の同定が注目されている1,2)。心臓の発生には様々な転写因子群(Tbx5,Gata4,Nkx2-5,Mef2cなど)が関与しており,これらの因子がエピジェネティック因子群と相互作用しながら心筋運命の決定や分化に深くかかわっている。エピジェネティック因子群のなかでも特にクロマチンリモデリング因子が心臓発生時期に沿った細胞運命,細胞維持,細胞増殖を心臓転写因子と共役して制御している。クロマチンリモデリング因子群で機能解析が進んでいるのがBrg1-BAF複合体および構成因子Baf60cである3)。更にヒストン修飾因子群や非コードRNA(ncRNA)と共役して,迅速に核内転写環境を活性化・不活性化することで,細胞・組織が環境変化に適応させていることが報告されている(図1)4-6)

 本稿では心臓発生・心疾患研究で報告が多い,クロマチンリモデリング複合体に焦点を当てて役割に関する最新の知見を概説する。

参考文献

1)森田唯加,竹内 純:7節 iPS細胞から心筋細胞への分化誘導の安定化・効率化(iPS細胞の最新技術開発),技術情報協会,2016(9月)10月発刊
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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