文献詳細
特集 心臓の発生・再生・創生
Ⅱ.心臓形成の制御機構
文献概要
われわれのような哺乳類の成体では,心臓は最も再生能の低い臓器の一つに数えられ,心筋梗塞などによる心筋の重大な損傷は多くの場合において心不全に直結することになる。しかし最近では,長い間信じられてきた哺乳類成体の心筋は全く置き換わらないというパラダイムは転換されつつあり,極めて限定的ながらも心筋細胞は成体においてもターンオーバーを起こしているということが明らかになってきた。そこで重要になる研究課題が,このような哺乳類の心筋細胞の増殖がいかにして制御されているかを解明することである。本稿では心筋細胞の代謝およびレドックス状態,とりわけミトコンドリア好気呼吸が,心筋細胞の増殖制御にどのようにかかわるかということに焦点を当てて概説したい。
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掲載誌情報