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文献詳細

雑誌文献

生体の科学68巻6号

2017年12月発行

文献概要

特集 心臓の発生・再生・創生 Ⅲ.心臓形成からみた病態の理解

先天性心疾患─流出路の形態形成からみる疾患の理解

著者: 古道一樹12 吉田祐12 山岸敬幸12

所属機関: 1慶應義塾大学医学部小児科 2慶應義塾大学医学部周産期・小児医療センター

ページ範囲:P.554 - P.558

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 先天性心疾患は,生命に直結する先天異常のなかで最も頻度の高い疾患で,心臓発生の異常に起因する。われわれが日常診療で遭遇する先天性心疾患の多くは,心臓大血管の発生過程における特定の領域または段階の発生異常によって発症する。高等動物の心臓発生は,いわば進化によって生み出された自然の芸術であり,時間的・空間的に秩序だった多くの複雑な過程,すなわち由来の異なる心臓前駆細胞の移動,増殖,分化,プログラム細胞死,相互作用によって成立している。したがって,この複雑な過程を知り,その異常によって発症する先天性心疾患の成り立ちを理解するためには,心臓大血管の発生を幾つかの領域ないし段階に分けて科学する“臨床心臓発生学”が有用である。本稿では,主に心臓流出路の領域を取り上げ,今世紀に明らかにされた,発生に関与する心臓前駆細胞,先天性心疾患の発症メカニズムについて概説する。

参考文献

1)山岸敬幸:心臓大血管の発生(概説).山岸敬幸,白石 公編:先天性心疾患を理解するための臨床心臓発生学,pp12-17.メジカルビュー社,東京,2007
2)山岸敬幸:流出路の発生とその異常.山岸敬幸,白石 公編:先天性心疾患を理解するための臨床心臓発生学,pp131-139.メジカルビュー社,東京,2007
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4)山岸敬幸,山岸千尋:トピックス 二次心臓形成領域.山岸敬幸,白石 公編:先天性心疾患を理解するための臨床心臓発生学,pp140-142.メジカルビュー社,東京,2007
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14)Siwik ES, Patel CR, Zahka KG:Tetralogy of Fallot. In Allen HD et al, eds:Moss and Adams' Heart Disease in Infants, Children, and Adolescnets Including the Fetus and Young Adult, Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia, 2001
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. 106:13933-13938, 2009
. 7:6771, 2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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