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文献詳細

雑誌文献

生体の科学68巻6号

2017年12月発行

特集 心臓の発生・再生・創生

Ⅳ.心臓の再生

心筋シートによる心臓組織再生技術の現状

著者: 阪本覚12 清水達也1

所属機関: 1東京女子医科大学先端生命医科学研究所 2東京女子医科大学循環器内科

ページ範囲:P.579 - P.582

文献概要

 1990年代前半にVacantiとLangerらが生体分解性高分子化合物に軟骨の細胞を播種し,ヌードマウスの背中に移植する手法を報告1)して以来,scaffold(足場)に細胞を播種・培養して目的とする臓器の形状を作製しようとする組織工学が広く世界中で研究されてきたことは周知のとおりである。一方,1982年のES細胞の発見から約25年後の2006年,遺伝子工学分野の発展を背景にヒト多能性幹細胞(ヒトiPS細胞)の樹立が報告され,各種の細胞への分化誘導技術が開発されつつある現在,再生医療は現実的に実用化可能な,近未来の医療であると認識されつつある。

 本稿では,前述したscaffoldを用いる古典的な組織工学に続き,組織工学分野に大きな技術革新をもたらした温度応答性培養皿を用いた,細胞シート作製技術と単層心筋シートの開発,更に段階的積層化による多層心筋シート作製について解説し,その後,現在の技術的な課題とそれへの取り組みについて解説する。

参考文献

. 260:920-926, 1993
. 50:82-89, 2000
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. 25:1015-1024, 2007
. 6:21747, 2016
. 32:7355-7362, 2011
. 2017 Jul 25. pii:CIRCRESAHA.117.310803

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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