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特集 社会性と脳
特集「社会性と脳」によせて
著者: 岡本仁1
所属機関: 1理化学研究所脳科学総合研究センター
ページ範囲:P.2 - P.3
文献購入ページに移動 “みどり子が奥深き秋の鏡舐め”
これは私が2歳の頃に旅の途中で自宅を訪れた俳人の西東三鬼が,三面鏡に自分の顔が幾重にも映るのを不思議がって,左右の二枚の鏡を動かしながらその間に頭を突っ込ませて,いつまでも眺めている幼児(みどりご)の私を面白く思って詠んだ俳句です。この頃に私は,世界の中で自分という存在があり,それを鏡に映る姿で確認することができると知ったようです。私に限らずヒトは,成長するに従って,他者と異なる存在として自分があることを自覚し,自分と他者によって作られる社会の文脈にふさわしい行動をとれるようになります。
これは私が2歳の頃に旅の途中で自宅を訪れた俳人の西東三鬼が,三面鏡に自分の顔が幾重にも映るのを不思議がって,左右の二枚の鏡を動かしながらその間に頭を突っ込ませて,いつまでも眺めている幼児(みどりご)の私を面白く思って詠んだ俳句です。この頃に私は,世界の中で自分という存在があり,それを鏡に映る姿で確認することができると知ったようです。私に限らずヒトは,成長するに従って,他者と異なる存在として自分があることを自覚し,自分と他者によって作られる社会の文脈にふさわしい行動をとれるようになります。
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