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特集 社会性と脳
認知ミラーリング─認知過程の自己理解と社会的共有による発達障害者支援
著者: 長井志江1
所属機関: 1情報通信研究機構脳情報通信融合研究センター脳情報工学研究室
ページ範囲:P.63 - P.67
文献購入ページに移動 発達障害の一種である自閉スペクトラム症(autism spectrum disorder;ASD)の診断者数は,近年,急激に増加しており,1975年には1/5,000人だったものが2009年には1/110人,最新の統計では1/68人に達すると言われている1)。そこには,診断技術の進歩や診断基準の修正など,実際のASD者数の増加とは別の要因も含まれるが,彼らに対して十分な支援が行き届いていないことや,支援方法が確立していないなどの問題も指摘されている。
筆者らの研究グループは,計算論的アプローチから発達障害の理解と支援を目指す研究プロジェクトとして,JST戦略的創造研究推進事業(CREST)「認知ミラーリング:認知過程の自己理解と社会的共有による発達障害者支援」(代表:長井志江,期間:2016年12月-2022年3月)を始動した2)。本稿では,本研究課題の掲げる目標とこれまでの成果,そして今後の展開について述べる。
筆者らの研究グループは,計算論的アプローチから発達障害の理解と支援を目指す研究プロジェクトとして,JST戦略的創造研究推進事業(CREST)「認知ミラーリング:認知過程の自己理解と社会的共有による発達障害者支援」(代表:長井志江,期間:2016年12月-2022年3月)を始動した2)。本稿では,本研究課題の掲げる目標とこれまでの成果,そして今後の展開について述べる。
参考文献
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2)JST 戦略的創造研究推進事業(CREST):認知ミラーリング.http://cognitive-mirroring.org, 2016
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21)(株)LITALICO:http://litalico.co.jp
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