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文献詳細

雑誌文献

生体の科学69巻2号

2018年04月発行

文献概要

特集 宇宙の極限環境から生命体の可塑性をさぐる Ⅰ.重力変動の生理機能への影響

細胞の重力応答機構

著者: 高橋賢1 佐々並三紗2 長田仁2 成瀬恵治1

所属機関: 1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科システム生理学 2岡山大学医学部システム生理学

ページ範囲:P.106 - P.109

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 一般にわれわれが考える宇宙環境とは,無重力,高放射線,高真空の状態を指す。一方で,近年は望遠鏡の発達に伴い系外惑星の研究が進んでおり,人類が居住可能な惑星の存在が示唆されている。例えば,2017年に発表されたLHs 1140bは39光年の距離にあり,その表面重力は3.24Gと計算されている1)。宇宙ステーションに人が住み,有人火星探査が計画されている現代では,地球以外の環境における生命の活動について考えることには意味がある。
 宇宙で起こる人体の変化として,筋萎縮や骨量減少がよく知られている。宇宙環境は細胞内情報伝達や遺伝子発現量を変化させ,細胞の分化・増殖に甚大な影響を及ぼす。これらの変化は,個々の細胞が重力の変化に応じて活動を変化させることに起因することが明らかになってきた。その全貌はまだ明らかではないが,キーとなるプロセスの幾つかが浮上している。本稿では,哺乳類の細胞の重力感知機構について概説する。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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