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文献詳細

雑誌文献

生体の科学69巻2号

2018年04月発行

文献概要

特集 宇宙の極限環境から生命体の可塑性をさぐる Ⅱ.宇宙滞在の高次機能への影響

宇宙滞在のヒト循環系への影響

著者: 岩﨑賢一1

所属機関: 1日本大学医学部社会医学系衛生学分野

ページ範囲:P.123 - P.126

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 宇宙に滞在をする際には,様々な特殊な環境因子が存在し,ヒト循環系に影響を与える。最もよく知られた因子は,無重力(微小重量)である。無重力の循環系への影響としては,体液の分布が頭部方向へシフトする現象がある。最新の知見においては,この現象に伴い頭部臓器の機能的・形態的な変化も起こる可能性が認められ,注目を集めている。更に,宇宙滞在が長くなるほど無重力に伴う運動不足が循環系の機能を低下させる。ほかにも,宇宙船の閉鎖環境に閉じ込められる精神心理的ストレスやその他の因子(往還時の過重力,宇宙放射線被曝,微生物叢の変化,高二酸化炭素など)も循環系に影響を及ぼす可能性がある(図1)。そして,宇宙飛行により循環系が様々な影響を受けた状態で地上に帰還すると,立位でいる際に,頭に十分な血液を供給することができなくなり,失神や前失神症状を呈して立っていられなくなる例が高頻度に認められる。本稿ではこれらについて最新の知見を含めて概説する。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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