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特集 生体膜のバイオロジー Ⅱ.構造
ラフト構造を介した細胞膜シグナル伝達
著者: 鈴木健一1
所属機関: 1岐阜大学研究推進・社会連携機構生命の鎖統合研究センター
ページ範囲:P.213 - P.217
文献購入ページに移動ラフトは,ソーティングにおける役割に加えて,細胞の増殖や接着,免疫など,非常に広範囲にわたる生命現象において,細胞の形質膜上のシグナル伝達のプラットフォームとして働いていると考えられてきた。当初想定されていたラフト構造(図1)は,膜外層にスフィンゴミエリン,スフィンゴ糖脂質,コレステロール,GPI(glycosylphosphatidylinositol)アンカー型受容体(GPI-AR)などが,内層にSrc fmily kinase(SFK),Gタンパク質など,飽和脂肪酸修飾を受けたシグナル分子が濃縮されている,というものであった。すなわち,「形質膜上には,脂質の相分離によって常にミクロンサイズの大きくて安定なラフトが存在している。このようなラフトに局在している受容体にリガンドが結合すると,ラフトにシグナル分子もあらかじめ集められているため,効率よくシグナル伝達が起こる」というものであった。
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