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特集 生体膜のバイオロジー Ⅴ.新技術
EMARS法の開発と膜マイクロドメイン研究への応用
著者: 本家孝一12 山口亜利沙1 小谷典弘3
所属機関: 1高知大学医学部生化学講座 2高知大学医学部附属先端医療学推進センター 3埼玉医科大学医学部生化学講座
ページ範囲:P.258 - P.262
文献購入ページに移動膜マイクロドメイン(脂質ラフトとも呼ばれる)の調製には,低温下で中性界面活性剤を用いて,細胞膜をホモジェナイズしてショ糖密度勾配超遠心にかけたときに浮遊してくる低密度画分detergent resistant membrane(DRM)を回収する方法2)がよく使われる。DRMには細胞膜外層に存在するスフィンゴ糖脂質,コレステロール,GPIアンカータンパク質に加えて,細胞膜内層に存在するsrcファミリーキナーゼやGタンパク質などのシグナル分子が濃縮され,膜マイクロドメインが単離されたかのようにみえるが,DRMは界面活性剤によるアーティファクトだという指摘がある3)。また,不均一で多様な膜マイクロドメインを一括して集めているため,DRMに回収される分子群が同一の機能クラスターのなかに会合していると思い込んではならない。
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