“創薬”という言葉はわが国オリジナルであって,山之内製薬の副社長などを務めた野口照久氏が1963-4年ごろに造語されたと言われている。1990年代に入ってわが国でこの言葉は広く使われるようになった。英語でこれに相当する言葉を探すと適当な言葉はなく,科学用語はほとんどが英語からの翻訳なので“創薬”は特別な例である。英語ではDrug Discoveryが通常考えられているが,むしろDrug Discovery and Developmentがふさわしいのではないか。この意味は疾病を改善し,くい止める物質の発見,またはデザインすることから始まり,吸収,分布,代謝や毒性,副作用そして最善の投与法などが含まれる。しかし,これは後述するPreclinicalまでの意味であり,“創薬”は薬が出来上がる過程でもっとClinicalの意味を含んで広く捉えてもよいと思われる。
米国のFDAは,薬が考えだされ種々の課程を経て市販されるまでの経過をStep1;Discovery and Development. Step2;Preclinical Research. Step3;Clinical Research. Step4;FDA Review1. Step5;FDA Review2(市販以降薬物の安全性をチェック)と定義している。このDiscovery and Developmentの部分はわが国における基礎研究に相当するが,“創薬”というときは前述した広く捉えた薬開発の全課程を“創薬”と考えたほうがよいのではないだろうか。
雑誌目次
生体の科学69巻4号
2018年08月発行
雑誌目次
特集 いかに創薬を進めるか
特集「いかに創薬を進めるか」によせて フリーアクセス
著者: 野々村禎昭
ページ範囲:P.288 - P.288
─大学アカデミアの特性を生かした創薬─グリーンファルマ創薬
著者: 井上和秀
ページ範囲:P.289 - P.291
薬理・生理学領域では基礎研究の成果を社会に還元する場合,わかりやすい例として創薬があるが,新規化合物を合成し新薬にまで育てるには,多額の経費をかけ,現在のサイエンスをもってしても10年以上の歳月が必要とされる。この長さは,今すぐにでも薬を必要とする患者にとっては耐え難い。そこで,科学の恩恵をいち早く患者に届けるためには,新薬の開発に努力する一方で,患者救済の何らかの工夫が必要となる。その一つとして,国が既に承認した医薬品(既承認薬)の中から創薬シーズを見つけることを考え「EcoPharma:エコファーマ」として提案した(Pain Research, 2007)1,2)。既承認薬にはヒトへの安全性に関する膨大な基礎資料があるため,それらを利用すれば開発時間が短縮される。患者に対しては早く薬を提供できるし,製薬企業からすれば既存薬の新規適用拡大(リポジショニング)として薬の市場価値を高めることにつながる。
さて,グリーンケミストリーは広く知られている地球環境に優しい化学合成法であるが,九州大学薬学研究院ではエコファーマとグリーンケミストリーの研究者がアカデミア創薬のために協力し合い,両者を融合させた「グリーンファルマ」を実践している。このグリーンファルマ研究は,企業が経済原理から手を出しにくい希少疾病用医薬品(オーファン・ドラッグ:患者数が少なく治療法も確立されていない病気の治療薬)開発にも積極的に挑戦できることから,本学におけるアカデミア創薬の基軸としている。本稿では,ヒトと地球に優しい「グリーンファルマ」創薬について,モルヒネも効かない人類史上最悪の痛みである神経障害性疼痛に対する治療薬を例にとり,概説する。
東北大学の利点・特長を生かした新規創薬
著者: 菅原明
ページ範囲:P.292 - P.293
わが国における高血圧患者数は4,000万人にも上るが,未治療の患者を含めると3,000万人程度で血圧コントロールが不十分とされる。また,3種類以上の降圧薬を内服しても降圧目標に達しない治療抵抗性高血圧は,全高血圧患者の約2割にも上る。したがって,新規降圧薬の開発はいまだ必要であると考えられる。現時点ではアルドステロン合成酵素(CYP11B2)の発現を抑制する薬剤は存在しないことから,今回筆者らはCYP11B2の発現抑制を指標として化合物ライブラリーのハイスループットスクリーニング(HTS)を行った。
AMED創薬PF事業─長崎大学拠点における支援活動と創薬研究
著者: 植田弘師
ページ範囲:P.294 - P.296
国家プロジェクトとしてのタンパク3000プロジェクト(2002-6年度),ターゲットタンパク研究プログラム(TPRP,2007-11年度),最先端研究基盤事業「化合物ライブラリーを活用した創薬等最先端研究・教育基盤の整備」事業(2010-12年度),創薬等支援技術基盤プラットフォーム事業(PDIS,2012-2016年度)と近年急速にわが国のアカデミアに創薬研究を期待するようになった。アカデミア創薬活動を全国規模で展開するため,東京大学の化合物ライブラリー拠点を中心として北海道大学,東北大学,京都大学,大阪大学,九州大学,長崎大学にスクリーニング拠点を設立し,運用プロジェクトが実施された。各拠点はその地域の創薬研究支援と高度化研究を担うこととなったが,長崎大学は特徴ある“感染症”,“放射線障害”を中心とする全国規模の創薬支援・高度化研究が課された。筆者は最先端研究基盤事業代表研究者,創薬PF事業管理者とその創薬研究活動にかかわってきたことから,この執筆の機会をいただいたと思う。
ゼブラフィッシュ創薬とプレシジョンメディシン
著者: 田中利男
ページ範囲:P.297 - P.299
Ⅰ.ゼブラフィッシュ創薬の急激な展開
21世紀の本格的ゲノム創薬時代に突入してからも,難治性疾患(アンメットメディカルニーズ)に対する画期的治療薬(first-in-class)開発は,困難を極めている。一方,この困難な時代において,見事に米国食品医薬品局(Food and Drug Administration;FDA)に承認された新薬を解析すると,62%の画期的新薬は,フェノタイプスクリーニングにより見いだされていることが明らかとなった1)。ゼブラフィッシュ創薬は,ハイスループット
実際,欧州では2008年からはラットを抜いて,ゼブラフィッシュがマウスの次に頻用されているモデル生物となり,国際的メガファーマも薬効・安全性研究でゼブラフィッシュを積極的に活用している。ゼブラフィッシュフェノタイプスクリーニングが著効した成功例として,画期的医薬品のORC-13661など3)やドラッグ・リポジショニング(drug repositioning)が報告されている。これらの事例により,今後,創薬全体への影響が明らかになるであろう2)。
創薬におけるオープンイノベーションの推進について
著者: 赤池昭紀
ページ範囲:P.300 - P.301
超高齢社会を迎えたわが国において,加齢を危険因子とする諸腫疾患,例えば,がんや認知症などに対応した薬を創出する創薬力の強化が急務となっている。更に,従来の医薬品の主体をなしてきた低分子化合物の探索がピークを越えてきており,抗体医薬品や核酸医薬品などの中高分子医薬品も加えた創薬モデルの転換が求められている。新しいタイプの医薬品開発には,アカデミアやベンチャー企業の研究成果・技術を製薬企業の医薬品開発に迅速に取り込むための環境を整備し,産官学連携による創薬の推進が必要である。iPS細胞の臨床応用やコンパニオン診断薬・医薬品など,新しいタイプの医薬品および関連製品も大きな広がりを持ちつつある。このようなニーズに応えるために,国内の多くの地域において,アカデミアと製薬企業の間にパイプラインを構築し,大学やベンチャー企業の研究成果と製薬企業のニーズのマッチングが進められている。
創薬をとりまく環境の変化について
著者: 江崎禎英
ページ範囲:P.302 - P.304
長きにわたって人類を苦しめてきた主たる疾患は感染症である。国内でも戦前から戦後にかけて死に至る病の筆頭は結核であった。感染症は外から侵入した異物(細菌やウイルスなどの病原体微生物)によって引き起こされるため,原因となる異物を特定し,これを排除できれば病気は根治できる。感染症の薬は極めて効果が高く,治療満足度も高い。事実,わが国における結核による死亡者数は,新薬の開発・普及によって劇的に減少している。
他方,近年われわれが恐れる病気は,がん,糖尿病,認知症などである。健康な人でも自分には関係ないとは言えないものばかりであろう。しかし,これらの疾患に対する薬の効果は,感染症の薬に比べると大きく見劣りしている。しかも,新薬の開発コストは急速に増加する一方で,その効果は既存薬を多少上回る程度でしかない。認知症に至っては,多くの製薬会社が新薬の開発を断念しつつある。何故このようなことになるのであろうか。その理由を探るため,主な疾患をその原因や性質に従って分類すると興味深い事実が浮かんでくる。
基礎医学から創薬へ参入の支援
著者: 小島宏建 , 岡部隆義 , 宮地弘幸 , 長野哲雄
ページ範囲:P.305 - P.309
「本研究は創薬につながる」と基礎研究者が安易に口にしたり,研究費獲得の枕詞に用いることが少なくないが,実際に基礎医学研究から得られた知見や成果を医薬品という形にするためには想像以上の困難が待ち受けている。医薬品開発のステージが進むと製薬企業の協力が必須となるが,製薬企業に研究のバトンを受け取ってもらえるかどうかがアカデミアが創薬を目指すうえでの一つのマイルストーンであると言える。基礎研究からそのマイルストーンを目指す第一歩を踏み出すための支援を東京大学創薬機構が担っており,その取り組みを紹介したい。本稿を研究成果の実用化の参考にしていただければ幸いである。
次世代創薬シミュレーション
著者: 荒木望嗣 , 奥野恭史
ページ範囲:P.310 - P.314
この十数年,製薬業界では,新薬の研究開発費が増え続けているという深刻な問題に直面している。例えば,分子標的薬の開発プロセスにおいては,非常に多くの有機化合物のなかから弱いながらもターゲットタンパク質に結合活性を示す候補分子を探し出し,薬効を上昇させ,副作用を軽減した医薬品に改良するために大きな実験コストがかかっている。更に,近年では,医薬品開発が容易なターゲット疾患のほとんどは開発し尽くされており,新薬を創出することが難しい状況となっている。したがって,薬のつくり方を革新し,薬効が高く副作用の少ない新薬を効率的に創出するために,コンピュータ予測に大きな期待が寄せられている。しかしながら,現状の創薬計算技術は予測精度が低く,予測できる化合物・標的タンパク質の数にも限界があることから,実験に置き換わるほどの革新的技術に至っていない。
その一方で,近年,スーパーコンピュータの演算性能は年々向上しており,わが国でも,「京」コンピュータの後継機であるポスト「京」の開発・整備が現在進められている。また,ソフトウェアの進歩も目覚ましく,囲碁でプロ棋士に勝ち越した人工知能(Google AlphaGo1))を筆頭として,次世代の計算技術が日々誕生して様々な分野で活躍し始めている。したがって,スーパーコンピュータや人工知能を駆使することで,これまでよりもはるかに高精度かつ高速な創薬計算が可能になると期待される。そこで本稿では,まず,ポスト「京」のスケールメリットを最大に活かし,膨大な候補化合物と複数の創薬標的タンパク質から成る大規模な組み合わせのなかから,特定のターゲット疾患に最適な医薬品候補化合物を予測する革新的創薬基盤の開発プロジェクトについて紹介する。続いて,創薬に人工知能を役立てるために設立,活動を行っているAI創薬の産学連携コンソーシアム「Life Intelligence Consortium(LINC)」の取り組みを紹介する。
NMRで標的タンパク質の機能から創薬を
著者: 上田卓見 , 嶋田一夫
ページ範囲:P.315 - P.319
薬物は,立体構造を形成したタンパク質に作用して,薬理作用を発揮する。薬物が作用するタンパク質の立体構造の情報は,薬物の作用機序の解明や,立体構造に基づく薬剤の探索を可能とするものであり,創薬において必須である。現在までに,X線結晶構造解析や極低温電子顕微鏡により様々なタンパク質の精緻な立体構造が多数解かれている。しかし,これらの手法で得られる立体構造は静的なスナップショットであり,生理的な溶液環境下における活性と直結した構造であるとは限らない。一方,生理的な環境下において,タンパク質が複数の立体構造の動的構造平衡状態にあることが明らかになってきている。
核磁気共鳴法(nuclear magnetic resonance;NMR)は,溶液中におけるタンパク質の動的構造平衡を解析できる唯一の手法である。多様なNMR試料調製法およびNMR測定法を駆使することにより,タンパク質がどのような構造の間をどのような速度および量比で交換しているか,という動的構造平衡の情報を取得することが可能である。
RNAとエピジェネティクスからの創薬へ
著者: 佐藤亮介 , 杉浦麗子
ページ範囲:P.320 - P.323
タンパク質をコードしない非コードRNA(ncRNA)の発見以来,生命機能を制御する機能性分子として,RNAの重要性が再認識されている。更に,がん細胞特異的に発現するmiRNAの発見や,筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis;ALS)に代表される神経変性疾患とmRNAのプロセシング異常のかかわりなど,RNA制御の異常が多様な病態の分子基盤となることが明らかにされつつある。なかでも,各種ストレスに応答して形成される凝集体である“RNA顆粒”が,翻訳やRNA分解のみならず,シグナル調節や疾患とのかかわりが解明され,新たなRNA創薬の標的として注目を集めている。また,正常な遺伝子発現には“エピジェネティック制御”が不可欠であり,エピジェネティック制御の破綻が,がんなどの難治性疾患発症の引き金となり得る。近年,このエピジェネティック制御にncRNAがかかわることが明らかにされている。
本稿では,創薬におけるRNAの位置づけやエピジェネティック創薬について概説すると共に,“RNA顆粒”を標的とした創薬戦略に関する筆者らの知見についても紹介する。
アレルギー性喘息治療ターゲットとしてのマイクロRNAの可能性
著者: 千葉義彦
ページ範囲:P.324 - P.326
近年,気管支喘息やアレルギー性鼻炎,アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患罹患率が全世界的にも飛躍的に増大しており,わが国ではスギ花粉症が今や“国民病”とまで言われるほど患者が増えている。近年のアレルギー研究は,主に免疫細胞を中心とした発症機序解明に力が注がれ,成果を上げている。しかしながら,実際の患者は“今ある症状”に苛まれており,この症状を急速かつ永続的に緩解させるような薬物・治療法の確立が望まれている。
多くのアレルギー疾患で問題となるのが標的臓器・組織の過敏性であり,例えば気管支喘息の根底には気道過敏性が存在し,わずかな刺激でも気道が過剰に収縮し,喘息死の原因となる。一方,喘息発作に短時間作用型β2作動薬やtheophylline製剤などの気管支拡張薬が著効を示すことから,発作時の気道狭窄には気管支平滑筋の過剰収縮が深く関与していることがうかがえる。本稿では,このような喘息時の気管支平滑筋の質的変化にマイクロRNAが関与している可能性について概説する。
マイクロRNAを利用した創薬─高機能性RNA分子の創製
著者: 北出幸夫
ページ範囲:P.327 - P.329
DNAの遺伝情報はRNAを介してタンパク質へ伝達され,タンパク質が生命維持の中心的な役割を果たす。この考えは,1958年にCrickによって提唱され,セントラルドグマと呼ばれる1)。1990年には,ヒトの遺伝情報が書かれているDNAのすべての塩基配列を読解しようとするヒト・ゲノムプロジェクトが開始された。2003年にはこのプロジェクトが終了し,ヒトの遺伝子数は予想に反してはるかに少なく22,000程度であることが明らかとなった。これは,ヒトゲノムのわずか2%程度であり,残りの98%は不要なnon-coding領域と考えられていた。しかし,近年のRNA研究により,non-coding領域の大部分のDNAは,実際にはRNAとして転写され,生成したnon-coding RNA(ncRNA)自体が様々な機能を示すことがわかってきた2)。
ポリオーマウイルス関連疾患とマイクロRNAによる治療戦略
著者: 市川裕菜 , 土方貴雄
ページ範囲:P.330 - P.332
ポリオーマウイルス科に属するポリオーマウイルス(polyomavirus)は,エンベロープを持たない環状二本鎖DNAウイルスでこれまでに73種が同定されている1)。そのうちヒトを宿主とする14種のポリオーマウイルスは高頻度でヒトに感染している。これらのウイルスは,通常ヒトに無症状で病原性を示さないが,免疫不全時などにはポリオーマウイルス関連疾患を引き起こすことが明らかになりつつある2)。近年,simian virus 40(SV40)にマイクロRNA(miRNA)が発見されてから3),他のポリオーマウイルスにもmiRNAの存在が認められ,その働きが注目されている。
本稿では,ポリオーマウイルスとその関連疾患について,ポリオーマウイルスタンパク質と関連疾患との関係性,更に関連疾患のmiRNAによる治療法の可能性について言及する。
網膜疾患治療薬創薬の戦略
著者: 嶋澤雅光 , 稲垣賢
ページ範囲:P.333 - P.338
わが国の視覚障害の原因のほとんどは網膜・視神経の障害に起因し,緑内障,糖尿病網膜症,網膜色素変性症,加齢黄斑変性などの網膜・視神経疾患が中途失明原因の上位を占めている。なかでも,緑内障は40歳以上の20人に1人(平均有病率5%)が罹患し,中途失明原因の第1位の眼疾患である(多治見スタディ)1)。
緑内障は,「視神経と視野に特徴的な変化を有し,通常,眼圧を十分に下降させることにより視神経障害を改善もしくは抑制し得る眼の機能的構造的異常を特徴とする疾患である」と定義され,緑内障に伴う視神経の障害を緑内障性視神経症(glaucomatous optic neuropathy;GON)と呼称される[緑内障診療ガイドライン(第4版)]。本疾患は年齢と共に失明の割合が高くなり,特に高齢化に伴い深刻な社会問題となっている。現在の緑内障治療には,エビデンスに基づいた唯一確実な治療法として薬物,レーザーまたは手術により眼圧を下降させる眼圧下降療法が用いられている。一方,緑内障全体のなかで眼圧が正常範囲内の正常眼圧緑内障(normal tension glaucoma;NTG)が72.0%を占めることが明らかにされている。このように,眼圧が正常範囲内であるにもかかわらず,緑内障性視神経症が進行する患者が非常に多い。
ウイルス疾患の創薬─2-メタル結合ファーマコフォアモデルに基づく成功例
著者: 吉永智一 , 宍戸貴雄 , 吉田立
ページ範囲:P.339 - P.344
これまでに,ウイルスの増殖に必須なウイルス由来酵素を薬剤の標的とした多くの抗ウイルス薬が創製されている。本稿では,筆者らが見いだした2-メタル結合ファーマコフォアモデルが,基質アナログでもなく,2種のウイルスの異なる酵素に当てはまり,最終的に治療薬となった例を紹介する。
ミトコンドリア創薬─チトクロームオキシダーゼを介して
著者: 高島成二
ページ範囲:P.345 - P.348
21世紀になった現在でも,画期的な新薬が次々と市場に出て生活習慣病などの治療満足度は上昇した。しかし,がんをはじめとしてアルツハイマー病や心不全など,患者数が極めて多いにもかかわらず治療満足度の低い疾患が多く存在する。日本医療研究開発機構(Japan Agency for Medical Research and Development;AMED)を中心とするわが国の創薬開発推進の流れはようやく軌道に乗りはじめ,アカデミアにおいても創薬開発を積極的に進めていこうという機運が高まってきている。
臨床に近い立場の研究者は疾患の根本原因となる遺伝子などにアクセスすることが可能となり,より創薬標的の同定がしやすい環境に置かれている。更に,新規の阻害剤や促進剤が得られることにより標的分子の構造変化が観察され,生化学的な理解が進み意外な分子生物学的機序が解明されることも期待される。
タンパク質相互作用の創薬─物理化学を介して
著者: 長門石曉 , 津本浩平
ページ範囲:P.349 - P.353
Ⅰ.チャレンジングな標的:タンパク質-タンパク質間相互作用
低分子創薬において,タンパク質-タンパク質間相互作用(protein-protein interaction;PPI)に対する低分子阻害剤の設計は最もチャレンジングなテーマの一つである。PPI界面の面積に対して,低分子薬剤の分子サイズでは阻害面を十分にはカバーできないため,効果的な低分子設計が困難であるとされている。そのため,現実としてPPI阻害剤の多くは抗体医薬品である。低分子阻害剤は臨床試験で苦戦しているのが現状である1)。しかしながら,PPIに対する低分子薬剤のニーズは高い。抗体は細胞外においては威力を発揮するものの,分子サイズが大きいことから膜透過性が低く,結果として細胞内を標的にすることが困難という欠点がある。細胞内には様々な疾患関連で標的となり得るPPIが存在することから,低い抗原性と高い透過性の低分子化合物によるPPI阻害剤設計に大きな期待が寄せられている。
低分子化合物がPPI阻害剤としての役割を果たすためには,そのPPI界面に対して低分子が特異的に結合しなければならないであろう。更に,PPI界面は比較的フラットで,酵素と基質のような明瞭な凹凸がないことも多い1,2)。そのなかで,PPI界面が“比較的小さく,かつ明瞭な二次構造を有するタイプ”については,近年,阻害剤開発技術が急速に発展している(図1)3)。α-helixを模倣した主鎖と官能基の立体配置のデザインによるPPI阻害剤設計が,現在のところ主要なコンセプトとなりつつある(図1)。しかし,PPI界面は“明瞭な二次構造を有するタイプ”のみではないことは自明である。“相互作用界面の広いタイプ”や“明瞭な二次構造がない界面タイプ”の低分子阻害剤開発に,大きなブレイクスルーを出すことが求められている(図1)。このように,標的PPIに対して薬剤を合理的に設計するアプローチはなく,手探りであるのが現状である。そのため,PPI阻害剤探索のための化合物ライブラリーについても議論が続いているが,明確なコンセプトはない。
和漢薬創薬を目指した基礎研究と臨床研究
著者: 東田千尋 , 久保山友晴 , 楊熙蒙
ページ範囲:P.354 - P.357
和漢薬とは,日本古来の和薬と,中国から伝わってきた漢薬を合わせた呼び方である。ただし広義には,天然物由来の薬物を広く示す“生薬”と,複数の生薬から成る“漢方薬”も含めた意味で“和漢薬”と言う。“和漢薬から創薬”と言ったとき,一般的には生薬の成分がシーズとなって新薬創生につながることがイメージされるであろう。モルヒネ,ジギトキシン,エフェドリン,アトロピン,サリシン等々,重要で強力な薬効を有する化合物が植物から同定された例はあまりにも有名である。また,このように生薬,天然物が薬の優れたシーズを生むことは過去の話ではなく,現在でも,特に抗菌活性や抗腫瘍活性を有する薬物の開発は,天然物そのもの,あるいはそれをリード化合物として進められているものが多い。また,2015年には,土壌細菌からの抗寄生虫薬開発と青蒿からの抗マラリア薬の開発にノーベル生理学・医学賞が与えられ,多くの患者を救うための新薬開発への挑戦の尊さと,天然物の有用性があらためて示された。
様々な疾患モデル系を用いた創薬研究の表現型スクリーニングで活性を示す和漢薬の知見は非常に多い。しかし,シーズ化合物発見から新薬承認に至るまでには,研究開発にかかる長い年月,多額の費用,低い成功確率,といった険しい壁が立ちはだかる。和漢薬の基礎研究の成果が,新薬開発の入口としてだけでなく,より直接的に臨床に生かされるような道もあるとよい。
漢方からアルツハイマー病創薬へ
著者: 関隆志
ページ範囲:P.358 - P.364
天然物を薬物として3,000年以上の長期にわたり臨床試験を繰り返し実施して,その体験から,評価され確立されたものが漢方薬である。古来,もの忘れに対しても漢方薬による治療が行われてきた。孫思遜『千金要方』(650年ごろ)に認知症に関する記載と共に,数十の処方が載せられている。繁用された生薬は,遠志,人参,茯苓,竜骨,黄耆,桂皮,菖蒲,麦門冬,甘草,当帰,白朮,酸棗仁などである。
病態概念は,現代の医学と漢方をはじめとする伝統医学のそれは,大きく異なる。漢方薬は主に“証”という病態概念を改善するために開発されてきている。“証”は現代医学の“病”とは異なる視点で病気を捉えているため,“もの忘れ”の治療薬はあっても,アルツハイマー病のための漢方薬というものは存在しない。
悪性腫瘍モデルゼブラフィッシュを利用した創薬研究
著者: 島田康人
ページ範囲:P.365 - P.370
Ⅰ.ホールアニマルスクリーニングへの潮流
製薬会社は現在,新規医薬品の開発効率に大きな問題を抱えている。これまで最も有効であった,そしてこれからもある程度は有効であろう創薬戦略では,まず治療標的分子(タンパク質など)を決定し,それに作用する化合物を大規模スクリーニングで探索する。そしてヒットした化合物を齧歯類動物を主とした疾患モデル動物を用いた実験で評価し,ヒト試験(臨床試験)に入っていく。この過程で約3,750分の1の確率で基礎研究から抽出された化合物達は,動物を用いた前臨床試験においてADMEや生体内活性不足で更にその3分の2が脱落する(てきすとぶっく製薬産業2014-2015,日本製薬工業協会)。ヒト臨床試験に入ってからは,例えば抗腫瘍薬領域では70%以上の化合物がフェーズ2で脱落し,更に残った60%がフェーズ3で消えていく1)。この非常に低い創薬成功率を改善するため,スクリーニング試験に動物モデルを導入し,試験化合物の疾患・組織選択性や毒性のみならず,その生体内利用率などを創薬の初期段階で評価しようという試み「ホールアニマルスクリーニング」が始まっている。このホールアニマルスクリーニングの対象動物としては,マウスなどの哺乳類動物ではコスト・動物愛護の点から実現性が低く,ハエや線虫などではヒトと共通する臓器が少ないという問題(例えばハエにはヒトと類似した血管組織がない)から,小型魚類ゼブラフィッシュが注目されている。
仮説と戦略
細胞内共生による真核細胞の進化─宿主真核細胞とミトコンドリア・葉緑体の協調増殖
著者: 宮城島進也
ページ範囲:P.371 - P.377
真核細胞内のエネルギー変換オルガネラであるミトコンドリアと葉緑体は,それぞれ独立生活していたバクテリアが真核細胞内に共生することで誕生した1,2)。宿主である真核細胞が共生体を維持し続けるためには,宿主細胞の成長・分裂に伴って共生体・オルガネラも成長分裂し,娘細胞に引き継がれることが必須である。進化の点から言えば,宿主細胞と共生体が協調増殖する機構が獲得されたことにより,恒久的な共生関係が成立し,共生体由来オルガネラが誕生したことになる。
本稿では,①ミトコンドリアと葉緑体の分裂が宿主である真核細胞によってどのように制御されているのか,②ミトコンドリアと葉緑体のエネルギー変換により宿主の成長・分裂がどのような制約を受けるのか,という2つの点から,宿主真核細胞と共生体由来オルガネラの協調増殖機構に関するこれまでの理解を紹介する。
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目次 フリーアクセス
ページ範囲:P.287 - P.287
次号予告 フリーアクセス
ページ範囲:P.378 - P.379
あとがき フリーアクセス
著者: 野々村禎昭
ページ範囲:P.380 - P.380
歴史的な,と言われる米朝会談が行われ当事者達は大満足で,われわれは本当だろうかと疑いの目でみていますが,本号が出るころには本当かどうかはっきりしていると思います。本当だとしても良いとは言えません。トランプは北朝鮮経済援助は日韓にまかすと言っているので,科学研究費は減りこそすれ増えることはないでしょう。
今回は「創薬」を取り上げました。日本語で始まったためにその定義が難しいことを「特集によせて」に書きました。結局私は,薬を見つけ,作り,市販までに至る過程を,企業からみると新薬の開発であり,大学,アカデミアの立場からみると「創薬」であると考えると良いのではないか,と思います。同様なことは英語にもあるので,ある物質が薬として街に出るまでのprocessがDevelopment(開発)であり,一方,Discovery and Developmentとして最初に出てくるDevelopmentと区別するために,開発の意味でのDevelopmentにくどくどと注をつけていた文章を米国の製薬会社の宣伝文にみました。
基本情報

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特集 ビッグデータ時代のゲノム医学
71巻1号(2020年2月発行)
特集 睡眠の制御と機能
70巻6号(2019年12月発行)
特集 科学と芸術の接点
70巻5号(2019年10月発行)
増大特集 現代医学・生物学の先駆者たち
70巻4号(2019年8月発行)
特集 メカノバイオロジー
70巻3号(2019年6月発行)
特集 免疫チェックポイント分子による生体機能制御
70巻2号(2019年4月発行)
特集 免疫系を介したシステム連関:恒常性の維持と破綻
70巻1号(2019年2月発行)
特集 脳神経回路のダイナミクスから探る脳の発達・疾患・老化
69巻6号(2018年12月発行)
特集 細胞高次機能をつかさどるオルガネラコミュニケーション
69巻5号(2018年10月発行)
増大特集 タンパク質・核酸の分子修飾
69巻4号(2018年8月発行)
特集 いかに創薬を進めるか
69巻3号(2018年6月発行)
特集 生体膜のバイオロジー
69巻2号(2018年4月発行)
特集 宇宙の極限環境から生命体の可塑性をさぐる
69巻1号(2018年2月発行)
特集 社会性と脳
68巻6号(2017年12月発行)
特集 心臓の発生・再生・創生
68巻5号(2017年10月発行)
増大特集 細胞多様性解明に資する光技術─見て,動かす
68巻4号(2017年8月発行)
特集 血管制御系と疾患
68巻3号(2017年6月発行)
特集 核内イベントの時空間制御
68巻2号(2017年4月発行)
特集 細菌叢解析の光と影
68巻1号(2017年2月発行)
特集 大脳皮質—成り立ちから機能へ
67巻6号(2016年12月発行)
特集 時間生物学の新展開
67巻5号(2016年10月発行)
増大特集 病態バイオマーカーの“いま”
67巻4号(2016年8月発行)
特集 認知症・神経変性疾患の克服への挑戦
67巻3号(2016年6月発行)
特集 脂質ワールド
67巻2号(2016年4月発行)
特集 細胞の社会学─細胞間で繰り広げられる協調と競争
67巻1号(2016年2月発行)
特集 記憶ふたたび
66巻6号(2015年12月発行)
特集 グリア研究の最先端
66巻5号(2015年10月発行)
増大特集 細胞シグナル操作法
66巻4号(2015年8月発行)
特集 新興・再興感染症と感染症対策
66巻3号(2015年6月発行)
特集 進化と発生からみた生命科学
66巻2号(2015年4月発行)
特集 使える最新ケミカルバイオロジー
66巻1号(2015年2月発行)
特集 脳と心の謎はどこまで解けたか
65巻6号(2014年12月発行)
特集 エピジェネティクスの今
65巻5号(2014年10月発行)
増大特集 生命動態システム科学
65巻4号(2014年8月発行)
特集 古典的代謝経路の新しい側面
65巻3号(2014年6月発行)
特集 器官の発生と再生の基礎
65巻2号(2014年4月発行)
特集 細胞の少数性と多様性に挑む―シングルセルアナリシス
65巻1号(2014年2月発行)
特集 精神疾患の病理機構
64巻6号(2013年12月発行)
特集 顕微鏡で物を見ることの新しい動き
64巻5号(2013年10月発行)
増大特集 細胞表面受容体
64巻4号(2013年8月発行)
特集 予測と意思決定の神経科学
64巻3号(2013年6月発行)
特集 細胞接着の制御
64巻2号(2013年4月発行)
特集 特殊な幹細胞としての骨格筋サテライト細胞
64巻1号(2013年2月発行)
特集 神経回路の計測と操作
63巻6号(2012年12月発行)
特集 リンパ管
63巻5号(2012年10月発行)
特集 細胞の分子構造と機能―核以外の細胞小器官
63巻4号(2012年8月発行)
特集 質感脳情報学への展望
63巻3号(2012年6月発行)
特集 細胞極性の制御
63巻2号(2012年4月発行)
特集 RNA干渉の実現化に向けて
63巻1号(2012年2月発行)
特集 小脳研究の課題(2)
62巻6号(2011年12月発行)
特集 コピー数変異
62巻5号(2011年10月発行)
特集 細胞核―構造と機能
62巻4号(2011年8月発行)
特集 小脳研究の課題
62巻3号(2011年6月発行)
特集 インフラマソーム
62巻2号(2011年4月発行)
特集 筋ジストロフィーの分子病態から治療へ
62巻1号(2011年2月発行)
特集 摂食制御の分子過程
61巻6号(2010年12月発行)
特集 細胞死か腫瘍化かの選択
61巻5号(2010年10月発行)
特集 シナプスをめぐるシグナリング
61巻4号(2010年8月発行)
特集 miRNA研究の最近の進歩
61巻3号(2010年6月発行)
特集 SNARE複合体-膜融合の機構
61巻2号(2010年4月発行)
特集 糖鎖のかかわる病気:発症機構,診断,治療に向けて
61巻1号(2010年2月発行)
特集 脳科学のモデル実験動物
60巻6号(2009年12月発行)
特集 ユビキチン化による生体機能の調節
60巻5号(2009年10月発行)
特集 伝達物質と受容体
60巻4号(2009年8月発行)
特集 睡眠と脳回路の可塑性
60巻3号(2009年6月発行)
特集 脳と糖脂質
60巻2号(2009年4月発行)
特集 感染症の現代的課題
60巻1号(2009年2月発行)
特集 遺伝子-脳回路-行動
59巻6号(2008年12月発行)
特集 mTORをめぐるシグナルタンパク
59巻5号(2008年10月発行)
特集 現代医学・生物学の仮説・学説2008
59巻4号(2008年8月発行)
特集 免疫学の最近の動向
59巻3号(2008年6月発行)
特集 アディポゲネシス
59巻2号(2008年4月発行)
特集 細胞外基質-研究の新たな展開
59巻1号(2008年2月発行)
特集 コンピュータと脳
58巻6号(2007年12月発行)
特集 グリケーション(糖化)
58巻5号(2007年10月発行)
特集 タンパク質間相互作用
58巻4号(2007年8月発行)
特集 嗅覚受容の分子メカニズム
58巻3号(2007年6月発行)
特集 骨の形成と破壊
58巻2号(2007年4月発行)
特集 シナプス後部構造の形成・機構と制御
58巻1号(2007年2月発行)
特集 意識―脳科学からのアプローチ
57巻6号(2006年12月発行)
特集 血管壁
57巻5号(2006年10月発行)
特集 生物進化の分子マップ
57巻4号(2006年8月発行)
特集 脳科学が求める先端技術
57巻3号(2006年6月発行)
特集 ミエリン化の機構とその異常
57巻2号(2006年4月発行)
特集 膜リサイクリング
57巻1号(2006年2月発行)
特集 こころと脳:とらえがたいものを科学する
56巻6号(2005年12月発行)
特集 構造生物学の現在と今後の展開
56巻5号(2005年10月発行)
特集 タンパク・遺伝子からみた分子病―新しく解明されたメカニズム
56巻4号(2005年8月発行)
特集 脳の遺伝子―どこでどのように働いているのか
56巻3号(2005年6月発行)
特集 Naチャネル
56巻2号(2005年4月発行)
特集 味覚のメカニズムに迫る
56巻1号(2005年2月発行)
特集 情動―喜びと恐れの脳の仕組み
55巻6号(2004年12月発行)
特集 脳の深部を探る
55巻5号(2004年10月発行)
特集 生命科学のNew Key Word
55巻4号(2004年8月発行)
特集 心筋研究の最前線
55巻3号(2004年6月発行)
特集 分子進化学の現在
55巻2号(2004年4月発行)
特集 アダプタータンパク
55巻1号(2004年2月発行)
特集 ニューロンと脳
54巻6号(2003年12月発行)
特集 オートファジー
54巻5号(2003年10月発行)
特集 創薬ゲノミクス・創薬プロテオミクス・創薬インフォマティクス
54巻4号(2003年8月発行)
特集 ラフトと細胞機能
54巻3号(2003年6月発行)
特集 クロマチン
54巻2号(2003年4月発行)
特集 樹状突起
54巻1号(2003年2月発行)
53巻6号(2002年12月発行)
特集 ゲノム全解読とポストゲノムの問題点
53巻5号(2002年10月発行)
特集 加齢の克服―21世紀の課題
53巻4号(2002年8月発行)
特集 一価イオンチャネル
53巻3号(2002年6月発行)
特集 細胞質分裂
53巻2号(2002年4月発行)
特集 RNA
53巻1号(2002年2月発行)
連続座談会 脳とこころ―21世紀の課題
52巻6号(2001年12月発行)
特集 血液脳関門研究の最近の進歩
52巻5号(2001年10月発行)
特集 モチーフ・ドメインリスト
52巻4号(2001年8月発行)
特集 骨格筋研究の新展開
52巻3号(2001年6月発行)
特集 脳の発達に関与する分子機構
52巻2号(2001年4月発行)
特集 情報伝達物質としてのATP
52巻1号(2001年2月発行)
連続座談会 脳を育む
51巻6号(2000年12月発行)
特集 機械的刺激受容の分子機構と細胞応答
51巻5号(2000年10月発行)
特集 ノックアウトマウスリスト
51巻4号(2000年8月発行)
特集 臓器(組織)とアポトーシス
51巻3号(2000年6月発行)
特集 自然免疫における異物認識と排除の分子機構
51巻2号(2000年4月発行)
特集 細胞極性の形成機序
51巻1号(2000年2月発行)
特集 脳を守る21世紀生命科学の展望
50巻6号(1999年12月発行)
特集 細胞内輸送
50巻5号(1999年10月発行)
特集 病気の分子細胞生物学
50巻4号(1999年8月発行)
特集 トランスポーターの構造と機能協関
50巻3号(1999年6月発行)
特集 時間生物学の新たな展開
50巻2号(1999年4月発行)
特集 リソソーム:最近の研究
50巻1号(1999年2月発行)
連続座談会 脳を守る
49巻6号(1998年12月発行)
特集 発生・分化とホメオボックス遺伝子
49巻5号(1998年10月発行)
特集 神経系に作用する薬物マニュアル1998
49巻4号(1998年8月発行)
特集 プロテインキナーゼCの多様な機能
49巻3号(1998年6月発行)
特集 幹細胞研究の新展開
49巻2号(1998年4月発行)
特集 血管―新しい観点から
49巻1号(1998年2月発行)
特集 言語の脳科学
48巻6号(1997年12月発行)
特集 軸索誘導
48巻5号(1997年10月発行)
特集 受容体1997
48巻4号(1997年8月発行)
特集 マトリックス生物学の最前線
48巻3号(1997年6月発行)
特集 開口分泌のメカニズムにおける新しい展開
48巻2号(1997年4月発行)
特集 最近のMAPキナーゼ系
48巻1号(1997年2月発行)
特集 21世紀の脳科学
47巻6号(1996年12月発行)
特集 老化
47巻5号(1996年10月発行)
特集 器官―その新しい視点
47巻4号(1996年8月発行)
特集 エンドサイトーシス
47巻3号(1996年6月発行)
特集 細胞分化
47巻2号(1996年4月発行)
特集 カルシウム動態と細胞機能
47巻1号(1996年2月発行)
特集 神経科学の最前線
46巻6号(1995年12月発行)
特集 病態を変えたよく効く医薬
46巻5号(1995年10月発行)
特集 遺伝子・タンパク質のファミリー・スーパーファミリー
46巻4号(1995年8月発行)
特集 ストレス蛋白質
46巻3号(1995年6月発行)
特集 ライソゾーム
46巻2号(1995年4月発行)
特集 プロテインホスファターゼ―最近の進歩
46巻1号(1995年2月発行)
特集 神経科学の謎
45巻6号(1994年12月発行)
特集 ミトコンドリア
45巻5号(1994年10月発行)
特集 動物の行動機能テスト―個体レベルと分子レベルを結ぶ
45巻4号(1994年8月発行)
特集 造血の機構
45巻3号(1994年6月発行)
特集 染色体
45巻2号(1994年4月発行)
特集 脳と分子生物学
45巻1号(1994年2月発行)
特集 グルコーストランスポーター
44巻6号(1993年12月発行)
特集 滑面小胞体をめぐる諸問題
44巻5号(1993年10月発行)
特集 現代医学・生物学の仮説・学説
44巻4号(1993年8月発行)
特集 細胞接着
44巻3号(1993年6月発行)
特集 カルシウムイオンを介した調節機構の新しい問題点
44巻2号(1993年4月発行)
特集 蛋白質の細胞内転送とその異常
44巻1号(1993年2月発行)
座談会 脳と遺伝子
43巻6号(1992年12月発行)
特集 成長因子受容体/最近の進歩
43巻5号(1992年10月発行)
特集 〈研究室で役に立つ細胞株〉
43巻4号(1992年8月発行)
特集 細胞機能とリン酸化
43巻3号(1992年6月発行)
特集 血管新生
43巻2号(1992年4月発行)
特集 大脳皮質発達の化学的側面
43巻1号(1992年2月発行)
特集 意識と脳
42巻6号(1991年12月発行)
特集 細胞活動の日周リズム
42巻5号(1991年10月発行)
特集 神経系に作用する薬物マニュアル
42巻4号(1991年8月発行)
特集 開口分泌の細胞内過程
42巻3号(1991年6月発行)
特集 ペルオキシソーム/最近の進歩
42巻2号(1991年4月発行)
特集 脳の移植と再生
42巻1号(1991年2月発行)
特集 脳と免疫
41巻6号(1990年12月発行)
特集 注目の実験モデル動物
41巻5号(1990年10月発行)
特集 LTPとLTD:その分子機構
41巻4号(1990年8月発行)
特集 New proteins
41巻3号(1990年6月発行)
特集 シナプスの形成と動態
41巻2号(1990年4月発行)
特集 細胞接着
41巻1号(1990年2月発行)
特集 発がんのメカニズム/最近の知見
40巻6号(1989年12月発行)
特集 ギャップ結合
40巻5号(1989年10月発行)
特集 核内蛋白質
40巻4号(1989年8月発行)
特集 研究室で役に立つ新しい試薬
40巻3号(1989年6月発行)
特集 細胞骨格異常
40巻2号(1989年4月発行)
特集 大脳/神経科学からのアプローチ
40巻1号(1989年2月発行)
特集 分子進化
39巻6号(1988年12月発行)
特集 細胞内における蛋白質局在化機構
39巻5号(1988年10月発行)
特集 細胞測定法マニュアル
39巻4号(1988年8月発行)
特集 細胞外マトリックス
39巻3号(1988年6月発行)
特集 肺の微細構造と機能
39巻2号(1988年4月発行)
特集 生体運動の分子機構/研究の発展
39巻1号(1988年2月発行)
特集 遺伝子疾患解析の発展
38巻6号(1987年12月発行)
-チャンネルの最近の動向
38巻5号(1987年10月発行)
特集 細胞生物学における免疫実験マニュアル
38巻4号(1987年8月発行)
特集 視覚初期過程の分子機構
38巻3号(1987年6月発行)
特集 人間の脳
38巻2号(1987年4月発行)
特集 体液カルシウムのホメオスタシス
38巻1号(1987年2月発行)
特集 医学におけるブレイクスルー/基礎研究からの挑戦
37巻6号(1986年12月発行)
特集 神経活性物質受容体と情報伝達
37巻5号(1986年10月発行)
特集 中間径フィラメント
37巻4号(1986年8月発行)
特集 細胞生物学実験マニュアル
37巻3号(1986年6月発行)
特集 脳の化学的トポグラフィー
37巻2号(1986年4月発行)
特集 血小板凝集
37巻1号(1986年2月発行)
特集 脳のモデル
36巻6号(1985年12月発行)
特集 脂肪組織
36巻5号(1985年10月発行)
特集 細胞分裂をめぐって
36巻4号(1985年8月発行)
特集 神経科学実験マニュアル
36巻3号(1985年6月発行)
特集 血管内皮細胞と微小循環
36巻2号(1985年4月発行)
特集 肝細胞と胆汁酸分泌
36巻1号(1985年2月発行)
特集 Transmembrane Control
35巻6号(1984年12月発行)
特集 細胞毒マニュアル—実験に用いられる細胞毒の知識
35巻5号(1984年10月発行)
特集 中枢神経系の再構築
35巻4号(1984年8月発行)
特集 ゲノムの構造
35巻3号(1984年6月発行)
特集 神経科学の仮説
35巻2号(1984年4月発行)
特集 哺乳類の初期発生
35巻1号(1984年2月発行)
特集 細胞生物学の現状と展望
34巻6号(1983年12月発行)
特集 蛋白質の代謝回転
34巻5号(1983年10月発行)
特集 受容・応答の膜分子論
34巻4号(1983年8月発行)
特集 コンピュータによる生物現象の再構成
34巻3号(1983年6月発行)
特集 細胞の極性
34巻2号(1983年4月発行)
特集 モノアミン系
34巻1号(1983年2月発行)
特集 腸管の吸収機構
33巻6号(1982年12月発行)
特集 低栄養と生体機能
33巻5号(1982年10月発行)
特集 成長因子
33巻4号(1982年8月発行)
特集 リン酸化
33巻3号(1982年6月発行)
特集 神経発生の基礎
33巻2号(1982年4月発行)
特集 細胞の寿命と老化
33巻1号(1982年2月発行)
特集 細胞核
32巻6号(1981年12月発行)
特集 筋小胞体研究の進歩
32巻5号(1981年10月発行)
特集 ペプチド作働性シナプス
32巻4号(1981年8月発行)
特集 膜の転送
32巻3号(1981年6月発行)
特集 リポプロテイン
32巻2号(1981年4月発行)
特集 チャネルの概念と実体
32巻1号(1981年2月発行)
特集 細胞骨格
31巻6号(1980年12月発行)
特集 大脳の機能局在
31巻5号(1980年10月発行)
特集 カルシウムイオン受容タンパク
31巻4号(1980年8月発行)
特集 化学浸透共役仮説
31巻3号(1980年6月発行)
特集 赤血球膜の分子構築
31巻2号(1980年4月発行)
特集 免疫系の情報識別
31巻1号(1980年2月発行)
特集 ゴルジ装置
30巻6号(1979年12月発行)
特集 細胞間コミニケーション
30巻5号(1979年10月発行)
特集 In vitro運動系
30巻4号(1979年8月発行)
輸送系の調節
30巻3号(1979年6月発行)
特集 網膜の構造と機能
30巻2号(1979年4月発行)
特集 神経伝達物質の同定
30巻1号(1979年2月発行)
特集 生物物理学の進歩—第6回国際生物物理学会議より
29巻6号(1978年12月発行)
特集 最近の神経科学から
29巻5号(1978年10月発行)
特集 下垂体:前葉
29巻4号(1978年8月発行)
特集 中枢のペプチド
29巻3号(1978年6月発行)
特集 心臓のリズム発生
29巻2号(1978年4月発行)
特集 腎機能
29巻1号(1978年2月発行)
特集 膜脂質の再検討
28巻6号(1977年12月発行)
特集 青斑核
28巻5号(1977年10月発行)
特集 小胞体
28巻4号(1977年8月発行)
特集 微小管の構造と機能
28巻3号(1977年6月発行)
特集 神経回路網と脳機能
28巻2号(1977年4月発行)
特集 生体の修復
28巻1号(1977年2月発行)
特集 生体の科学の現状と動向
27巻6号(1976年12月発行)
特集 松果体
27巻5号(1976年10月発行)
特集 遺伝マウス・ラット
27巻4号(1976年8月発行)
特集 形質発現における制御
27巻3号(1976年6月発行)
特集 生体と化学的環境
27巻2号(1976年4月発行)
特集 分泌腺
27巻1号(1976年2月発行)
特集 光受容
26巻6号(1975年12月発行)
特集 自律神経と平滑筋の再検討
26巻5号(1975年10月発行)
特集 脳のプログラミング
26巻4号(1975年8月発行)
特集 受精機構をめぐつて
26巻3号(1975年6月発行)
特集 細胞表面と免疫
26巻2号(1975年4月発行)
特集 感覚有毛細胞
26巻1号(1975年2月発行)
特集 体内のセンサー
25巻5号(1974年12月発行)
特集 生体膜—その基本的課題
25巻4号(1974年8月発行)
特集 伝達物質と受容物質
25巻3号(1974年6月発行)
特集 脳の高次機能へのアプローチ
25巻2号(1974年4月発行)
特集 筋細胞の分化
25巻1号(1974年2月発行)
特集 生体の科学 展望と夢
24巻6号(1973年12月発行)
24巻5号(1973年10月発行)
24巻4号(1973年8月発行)
24巻3号(1973年6月発行)
24巻2号(1973年4月発行)
24巻1号(1973年2月発行)
23巻6号(1972年12月発行)
23巻5号(1972年10月発行)
23巻4号(1972年8月発行)
23巻3号(1972年6月発行)
23巻2号(1972年4月発行)
23巻1号(1972年2月発行)
22巻6号(1971年12月発行)
22巻5号(1971年10月発行)
22巻4号(1971年8月発行)
22巻3号(1971年6月発行)
22巻2号(1971年4月発行)
22巻1号(1971年2月発行)
21巻7号(1970年12月発行)
21巻6号(1970年10月発行)
21巻4号(1970年8月発行)
特集 代謝と機能
21巻5号(1970年8月発行)
21巻3号(1970年6月発行)
21巻2号(1970年4月発行)
21巻1号(1970年2月発行)
20巻6号(1969年12月発行)
20巻5号(1969年10月発行)
20巻4号(1969年8月発行)
20巻3号(1969年6月発行)
20巻2号(1969年4月発行)
20巻1号(1969年2月発行)
19巻6号(1968年12月発行)
19巻5号(1968年10月発行)
19巻4号(1968年8月発行)
19巻3号(1968年6月発行)
19巻2号(1968年4月発行)
19巻1号(1968年2月発行)
18巻6号(1967年12月発行)
18巻5号(1967年10月発行)
18巻4号(1967年8月発行)
18巻3号(1967年6月発行)
18巻2号(1967年4月発行)
18巻1号(1967年2月発行)
17巻6号(1966年12月発行)
17巻5号(1966年10月発行)
17巻4号(1966年8月発行)
17巻3号(1966年6月発行)
17巻2号(1966年4月発行)
17巻1号(1966年2月発行)
16巻6号(1965年12月発行)
16巻5号(1965年10月発行)
16巻4号(1965年8月発行)
16巻3号(1965年6月発行)
16巻2号(1965年4月発行)
16巻1号(1965年2月発行)
15巻6号(1964年12月発行)
特集 生体膜その3
15巻5号(1964年10月発行)
特集 生体膜その2
15巻4号(1964年8月発行)
特集 生体膜その1
15巻3号(1964年6月発行)
特集 第13回日本生理科学連合シンポジウム
15巻2号(1964年4月発行)
15巻1号(1964年2月発行)
14巻6号(1963年12月発行)
特集 興奮收縮伝関
14巻5号(1963年10月発行)
14巻4号(1963年8月発行)
14巻3号(1963年6月発行)
14巻1号(1963年2月発行)
特集 第9回中枢神経系の生理学シンポジウム
14巻2号(1963年2月発行)
13巻6号(1962年12月発行)
13巻5号(1962年10月発行)
特集 生物々理—生理学生物々理若手グループ第1回ミーティングから
13巻4号(1962年8月発行)
13巻3号(1962年6月発行)
13巻2号(1962年4月発行)
Symposium on Permeability of Biological Membranes
13巻1号(1962年2月発行)
12巻6号(1961年12月発行)
12巻5号(1961年10月発行)
12巻4号(1961年8月発行)
12巻3号(1961年6月発行)
12巻2号(1961年4月発行)
12巻1号(1961年2月発行)
11巻6号(1960年12月発行)
Symposium On Active Transport
11巻5号(1960年10月発行)
11巻4号(1960年8月発行)
11巻3号(1960年6月発行)
11巻2号(1960年4月発行)
11巻1号(1960年2月発行)
10巻6号(1959年12月発行)
10巻5号(1959年10月発行)
10巻4号(1959年8月発行)
10巻3号(1959年6月発行)
10巻2号(1959年4月発行)
10巻1号(1959年2月発行)
8巻6号(1957年12月発行)
8巻5号(1957年10月発行)
特集 酵素と生物
8巻4号(1957年8月発行)
8巻3号(1957年6月発行)
8巻2号(1957年4月発行)
8巻1号(1957年2月発行)